全酪新報/2022年3月20日号
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「生産者と乳業メーカーで脱粉在庫削減へ、事業規模全体で約100億円」――Jミルク2022年度事業

2022-03-20

Jミルクは3月10日の臨時総会で、生産者と乳業者が協力して脱脂粉乳の過剰在庫削減を目指す「酪農乳業乳製品在庫調整特別対策事業」を2022年度事業に盛り込んだことを明らかにした。事業規模は約100億円。生産者から取扱乳量1㌔45銭、乳業者は同10~45銭をそれぞれ基金造成のための拠出金単価として設定した。国内生産基盤の中長期的な維持・拡大に向け、関係者が一体で需給改善に取り組む。-詳細は全酪新報にてご覧ください-

お断り=本記事は3月20日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「生乳流通改革、規制改革WGが進捗聴取」――2022年度答申へ協議進める

2022-03-20

規制改革推進会議の地域産業活性化ワーキンググループは3月14日、オンラインで会合を開き、生乳流通改革の進捗状況を農水省等から聴取した。農水省が取りまとめた生乳取引実態全国調査の結果や違反事例集を基としたパンフレット、生乳の適正取引推進ガイドライン案について議論した。


全国調査では、回答した酪農家の9割超が改正畜安法施行以降も指定団体への出荷を継続した一方、一部で法令上問題となり得る事例もあったこと等が明らかとなった。会合は非公開。WGでは近く農水省からの報告を受けた上で、2023年度の答申に盛り込む内容の検討に向け協議を進める。


会合後の記者ブリーフィングで規制改革推進室の川村尚永参事官は、農水省や公正取引委員会から説明を受けた内容を紹介。委員より▽全国調査は1回だけではなく今後もフォローが必要▽事例集には酪農家がやっていいこと、指定事業者がやってはいけないことを明記すべき▽酪農家が生乳を引き取ってもらえなかった場合、在庫リスクを酪農家が引き取るのであれば、販売チャネルを複線化する重要性が増してくるのではないか――等の指摘があったという。


また、委員の意見を踏まえ、同WGの岩下直行座長(京都大学大学院教授)から「指定団体が需給調整の役割発揮を理由に、自らの独禁法違反を正当化する可能性等を含めた要因分析を行うとともに、課題解決に向けた具体的な取組を検討いただきたい」「酪農家や乳業メーカーが萎縮することなく、取引先を自由に選ぶことが出来る環境作りのための実効的な運用改善を進めてほしい」など、農水省の対応を求める意見があったと説明した。


意見を受けて農水省は今後、対応方針として2週間以内を目途に規制改革事務局へ報告し、委員からの指摘を踏まえてガイドライン等の内容を修正。年度内に公表し、説明会等で周知を図る。

「農水省、Jミルクが春先需給へ消費拡大展開」――大幅緩和が懸念

2022-03-20

小中学校が春休みに入る今年度末からGWにかけて大幅な需給緩和が懸念されている状況を踏まえ、農水省やJミルクは3月10日より、消費拡大と牛乳による栄養バランス促進に向けてそれぞれ取組を開始した。このうち、農水省は業界の取組を後押しすべく、「乳プラスワンプロジェクト」の一環として同省公式YouTubeチャンネル「BUZZMAFF」や内閣府政府広報室と連携したテレビCM(3月25日~4月7日)放映等による情報発信、職員が調理した乳和食画像の日替わり配信など5つの取組を展開する(図)。


また、Jミルクは小中学生へ、牛乳を通じた栄養バランスの重要性の訴求を目的に「給食のない日に牛乳飲もう!プロジェクト(仮称)」を立ち上げた。業界が自治体や栄養教諭など学校給食関係者と連携し、給食がない日の「子どもの栄養問題」と牛乳摂取の重要性について、家庭や地域への啓発・食育活動などを展開する。


BS放送で大熊課長が呼びかけ


3月11日には牛乳乳製品課の大熊規義課長がBS朝日のテレビ番組「宇賀なつみのそこ教えて!」の1コーナーに出演し、例年以上に春先の需給緩和が懸念されていることを説明。その上で、子どもの栄養バランスの観点と、春先の処理不可能乳発生回避へ「春休みは美味しく栄養満点な牛乳を、乳和食などご家庭でも積極的に取り入れてほしい」と家庭での牛乳消費の協力を呼びかけた。


内容は放送から1年間、政府広報オンラインのHPから視聴できる。

「松本乳製品調整官、年度末需給はギリギリの調整」――緊張感持って動向注視を

2022-03-20

処理不可能乳の発生が懸念される年度末からGWにかけての期間について、牛乳乳製品課の松本憲彦乳製品調整官は10日、「現在、現場ではギリギリの調整をしている。年末年始よりもリスクの高い期間が長くなることを勘案すれば、楽観視は禁物。緊張感をもちながら動向を注視し取り組んで欲しい」との認識を強調した。本紙など酪農専門紙との取材の中で話した。


松本調整官は、年末年始の需給を振り返るとともに、今後処理不可能乳が発生した場合、多くの国民の協力を得て乗り切った年末年始の反動から業界全体の信頼を損ない、大きな痛手になると強調した。


「今まさに日本の酪農乳業の将来を左右する『分岐点』に立っているという意識を業界内で共有化してほしい」と述べた。


また、直近の年度末に向けて、加工工場の一層の稼働に向けた準備を求めたほか、一時的な生産抑制対策など需要にあった生乳生産、牛乳・乳製品のPRと販売強化など、生産・処理・販売全ての場面で危機感のレベルを引き上げた対応が不可欠と指摘。その上で「今回の局面の突破に向けては全国の生産者・乳業者が自分事として取り組む必要がある。各関係者は各々が役割を担っていることを再認識し、自らの取組を省みて、その役割を満度に果たすよう取り組んでほしい」と呼びかけた。


3月20日号記事4-表

「需要に合わせた生乳生産を、直近需給動向に懸念」――Jミルク川村会長

2022-03-20

処理不可能乳の発生が懸念される直近の生乳需給をめぐり、Jミルクの川村和夫会長は「現実の需要に合わせた生乳生産に取り組み、需給バランスの改善を図ることが極めて重要だ。需給の不均衡が長期化することにより、将来の生産基盤を損なうことになるのではないか」と強い懸念を示した。Jミルクが11日に開いた臨時総会の冒頭あいさつで述べたもの。


川村会長はあいさつで、春先の需給をはじめ、直近でも緩和傾向が続く生乳の処理に苦慮している現状について言及。また、ウクライナ情勢やコロナ禍等の影響により配合飼料の高騰や資材コストなど、生産者や乳業双方でコスト増が続いている状況にあると説明した上で「Jミルクとしても厳しい状況を打破していくため、出口と入口の両面で出来る限りの対応を進めていきたいと考えている」との認識を示した。

「酪政連22年度方針、需要拡大を重点課題に」――情勢踏まえ機動的に対応

2022-03-20

酪政連(佐藤哲委員長)は3月9日に通常総会(新型コロナを踏まえ書面議決)を開き、21年度収支決算や22年度運動方針等を原案通り全て承認。来年度の運動では、高騰する生産資材や生乳生産量の好調等の影響を大きく受けている牛乳・乳製品の需要拡大を重点課題として掲げた。ウクライナ情勢や新型コロナの状況を注視しつつ、機動的に対応していく方針。また、大規模だけでなく中小規模・家族経営の永続的な発展を目指し、来年度も引き続き担い手支援や酪農ヘルパーの確保などの継続・拡充等を求めて運動を展開する。


10日に酪農専門紙の取材に応じた佐藤委員長は、総会でウクライナ情勢等の影響が予測困難なことを踏まえ、状況に応じて機動的に要請していくことを確認したと説明。「全国の酪農家戸数を減らさないよう、状況を注視しつつ、酪政連として今後も活動していく」との考えを示した。


このほか、重点政策として▽指定団体の機能維持▽酪農ヘルパー対策▽家畜排せつ物処理施設等対策▽生産基盤強化・働き方改革等対策▽自給飼料の確保対策▽鳥獣被害対策――なども今年度に引き続き要請していく。


総会後には中央常任委員会を開催。任期満了に伴う役員改選では、佐藤委員長はじめとした三役を再任したほか、中央常任委員に川田久志中央委員を新任した。いずれも任期は2年。佐々木勲常任顧問は退任した。


和夫会長は「現実の需要に合わせた生乳生産に取り組み、需給バランスの改善を図ることが極めて重要だ。需給の不均衡が長期化することにより、将来の生産基盤を損なうことになるのではないか」と強い懸念を示した。Jミルクが11日に開いた臨時総会の冒頭あいさつで述べたもの。


川村会長はあいさつで、春先の需給をはじめ、直近でも緩和傾向が続く生乳の処理に苦慮している現状について言及。また、ウクライナ情勢やコロナ禍等の影響により配合飼料の高騰や資材コストなど、生産者や乳業双方でコスト増が続いている状況にあると説明した上で「Jミルクとしても厳しい状況を打破していくため、出口と入口の両面で出来る限りの対応を進めていきたいと考えている」との認識を示した。

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