全酪新報/2023年9月10日号
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「自民党酪政会、酪農経営安定へ一致団結」――自給飼料増産等の対策を

2023-09-10

自民党酪政会(森英介会長、千葉11区・衆議)は9月5日、東京・永田町の自民党本部で総会を開き、日本酪農政治連盟(佐藤哲委員長)から来年度酪農政策・予算確保に向けた要望を聴取した。議員からは不需要期の脱脂粉乳在庫の積み上がりに対する懸念や自給飼料増産に向けた対策の必要性などの声が相次ぎ、酪農経営安定へ一致団結して取り組んでいくことを誓った。-詳細は全酪新報にてご覧ください-

お断り=本記事は9月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「生乳需給対応、長・短期の視点で」――農水省の須永新平牛乳乳製課長が抱負語る

2023-09-10

農水省の7月4日付け人事で、畜産局牛乳乳製品課長に須永新平氏(大臣官房新事業・食品産業部外食・食文化課長)が就任した(既報)が、このほど本紙など酪農専門紙の取材に応じた。


須永課長は、当面の課題である生乳需給の改善に向け、「酪農乳業には脱脂粉乳とバターの需給が乖離している問題や短期的には乳製品在庫などの課題もある。酪農乳業関係者とよく議論を重ね、酪農乳業の一体性の強化と持続的な産業の発展につなげていきたい」と抱負を語った。


須永課長はこれまで、日米貿易交渉やコロナ禍からの回復を図る外食産業への支援に携わってきた経験を振り返り、「日米貿易交渉では相手の立場をしっかり把握した上で、自分の立場を粘り強く確保する大切さを痛感した。外食産業では、コロナ禍で一時市場が9割減少する状況となる中、需要をつかもうと即座に業態転換を図る事業者の努力する姿を目の当たりにした。酪農乳業においても、今後の発展のためには変化する需要に応じ、関係者がそれぞれ必要な行動を考えていかなければならない」との考えを示した。


当面の需給問題については、「コロナ禍以降の3年間で、脱脂粉乳とバターの需給の乖離など、もともとあった課題が浮き彫りとなった。これらの課題を正面からしっかりととらえ、持続的に解決していく方法を模索することが酪農乳業の持続性につながっていく」との考えを強調した。その上で須永課長は脱脂粉乳とバターの需給乖離が大きな構造的課題であると指摘し、短期的には脱脂粉乳への対応が問われていると語った。


特に脱脂粉乳在庫については、乳価引き上げによる需要減少から今後、再び在庫が積み上がる懸念を指摘。「脱脂粉乳においては、需要の見通しと整合した対応が必要だ。国としても延々と在庫低減対策を継続することは難しい。中長期的な視点からは、牛乳・乳製品の輸出拡大などの需要拡大施策も大切だ。短期では、来年度の対応においても、単なる在庫削減だけではなく、生乳生産や生乳取引、需要拡大などの対応も併せて整理することが重要。生産者や乳業者を含めた関係者と議論の場を増やし、考えていきたい」と述べ、長期と短期の両面において対応が必要との認識を示した。


須永新平牛乳乳製品課長=埼玉県出身。2002年3月早稲田大学大学院政治学研究科修了。同年4月農林水産省入省。大臣官房国際部国際経済課国際交渉官(18年6月~)、食料産業局食品製造課付(20年7月~)、同課外食産業室長(20年10月~)、大臣官房新事業・食品産業部外食・食文化課長(21年7月~)などを歴任。23年7月4日より現職。

「高校生への牛乳消費拡大など要請」酪政連・中央委員会――2024年度酪農政策を協議

2023-09-10

酪政連は9月5日、自民党本部で開いた中央委員会で、2024年度酪農政策・予算確保に関する要請内容を協議した。生乳の適正な価格形成制度の検討や、自給飼料流通経費への助成、高校生に対する牛乳消費喚起運動などを盛り込んだ。


24年度の酪農政策・予算の要請の柱は▽生乳生産コスト高騰に対応し再生産に配慮した適正な価格形成制度の検討▽地域の実態に応じた有害鳥獣対策▽高校生等に対する牛乳・乳製品の消費拡大運動の後押し――など。


自給飼料生産の推進に向けては、飼料生産が困難な地域に対し、畜産クラスター事業の有効活用も含め、地域間流通経費の助成等耕畜連携に対する支援や、国産飼料増産に向けた飼料生産組織の規模拡大への支援等を求める。


会合ではまた、困窮する生産現場の現状と乳価値上げによる消費減退の懸念を踏まえ、委員から消費拡大や理解醸成活動の必要性を強調する声が相次いだ。このほか、校内への牛乳自販機設置等による高校生に対する消費拡大を提案する声や、輸出拡大に向けた取組の重要性、酪農家が将来にわたり末永く安定して経営できる価格形成の仕組みづくりの必要性を指摘する声もあった。

「配合飼料価格、小幅の値下げか」――米国産トウモロコシ収穫良好で・三井物産の瀧本氏が講演

2023-09-10

三井物産㈱の瀧本昌平氏(食料本部畜水産事業部畜産事業室室長補佐)は、2023年10~12月期の配合飼料価格に関して、円安傾向であるものの、米国産トウモロコシの収穫状況が良好であることを背景に「7~9月期に比べ、1㌧当たり1500円前後の引き下げになるのではないか。ただ、為替の動向の見通しは難しく、原油価格も高騰していることから、1千円から2千円の間で動く可能性はある」との見通しを示した。


その上で、瀧本氏は為替など外部要因に左右されない酪農経営を確立する必要性を強調。耕畜連携による自給飼料基盤の強化が酪農の持続化へ重要だと指摘した。


Jミルクが9月6日に開いたオンラインセミナーでウクライナ情勢を踏まえた畜産・飼料情勢への影響について講演した。

「牧場で輝く家畜の命」連載㉘瀧見明花里さんの写真エッセイ

2023-09-10
牧場で輝く家畜の命㉘ A

菊地ファーム(北海道広尾町)のジャージーのヒナコ

牧場で輝く家畜の命㉘ B

ホルスタインの子牛

雨がしんしんと降る中、牧場に到着。この日は、菊地ファームカフェ5周年イベントの当日で、1日限りの写真展と「牛さんの撮り方ワークショップ」を開催しに来ました。早速、荷物を運び入れ、店内に30点以上の作品たちを飾りました。


10時になると、次々と参加者の方々がご来場。いざ、初めてのワークショップ開始です。30分ほど牛の撮り方を説明し、牛舎へと向かいます。注意事項などの説明を受け、いよいよ撮影開始。牛さんたちは、何人もの大人に囲まれても全く動じず、マイペースに反芻中。そんな姿を参加者さんと一緒にしゃがんで撮影していると、1頭のジャージーさんが近寄ってきました。かなり人懐っこい性格の持ち主のようで、1人ひとりに愛嬌を振りまきます。


カメラを構えると「撫でて」と接近してくる様子に、すっかり皆んなのアイドルとなりました。初めての開催で緊張しましたが、展示共に嬉しい感想を頂けて、素敵な1日となりました。(次回全酪新報10月1日号に掲載)


プロフィール


瀧見明花里(AKAPPLE)


農業に触れるためニュージーランドへ1年3ヶ月渡航。2017年より独立。『「いただきます」を世界共通語へ』をコンセプトに、牛、豚、鶏をはじめとする家畜動物を撮影、発表。家畜の命について考えるきっかけを届けている。


※写真の無断使用はご遠慮下さい

https://photographer-akapple29.com/

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東京都渋谷区代々木1-37-2
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