全酪新報/2024年5月20日号
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「北海道内、酪農経営224戸が離脱」――高齢化や後継者問題等で、2月1日時点

2024-05-20

北海道農政部はこのほど、道内酪農経営の離脱状況を公表した。24年2月1日時点の生乳出荷戸数は4600戸。新規参入が25戸あったものの、249戸が離脱したため、結果的に224戸の離脱で、全道の生乳出荷戸数の減少率も前回調査より0.24%高い「4.64%」と大きく減少した。離脱要因は「高齢化と後継者問題」による離農が最も高かった。減少率を振興局別でみると、道央圏の後志(しりべし)が最も高く、次いで日高、空知の順だった。-詳細は全酪新報にてご覧ください-

お断り=本記事は5月20日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「食品部門の販売数量減少、消費者に対して新たな価値提案を図る」――明治HD・川村和夫社長

2024-05-20

明治ホールディングス(HD)㈱の川村和夫社長は5月10日にオンラインを併用して開催した2024年3月期決算・26年中期計画の説明会の席上、ヨーグルト等を含む食品部門の販売数量減少について「(昨年の乳価や製品価格の改定による影響は大きいが)消費者に新しい価値を評価してもらえるものを、どのように導入していけるかというのが、我々としての取り組みになってくる」と述べた。


川村社長はこのほか、ヨーグルトを含めた製品開発や市場展開の考え方について「新工場の設立とともに、付加価値を追求した新たな乳素材を生産していく。ヨーグルトやニュートリションなど、これまで成長を支えてきた事業については、新しいマーケティングに取り組む事で、事業強化を目指したい」と説明。独自開発の素材を活かして乳製品等の付加価値を高めていくとの考えを示した。

「飲用需要確保に向け多様な形で商品展開へ」――森永乳業・大貫陽一社長

2024-05-20

森永乳業㈱の大貫陽一社長は、飲用消費動向について「牛乳需要はだいぶ下がってきている。見通しは難しいが、例えばLL牛乳の常温のものや、小容量タイプ、あるいは機能性を付与した牛乳など、飲用需要に対していろいろな形で商品展開を図り、消費者にその価値を認めていただけるように取り組みたい。為替も含めて不透明ではあるが、価値を認めていただける方向で需要を伸ばしていければ」との考えを示した。5月14日の決算説明会で述べた。


さらに、機能性ヨーグルトなど機能性食品の展開については「お客様の健康に貢献することが森永乳業として一つの方向性。機能性食品などを通じて健康に寄与することを目指しており、その価値を認めていただくことで、一層皆様の健康に役立つと考えている。私どもの機能性の素材、いわゆるビフィズス菌を中心とした菌はしっかりとしたエビデンスに基づくもの。このように独自の素材を持っており、そこが強みと考えている。(この強みを生かして)今後も商品を出していきたい」と述べた。

「酪農乳業として需給の安定を図る事が重要、酪農乳業ともに発展へ」――雪印メグミルク・佐藤雅俊社長

2024-05-20

厳しい状況が続く酪農経営の現状をめぐり、雪印メグミルク㈱の佐藤雅俊社長は「(乳価改定により)少しは生産者の経営改善や今後の酪農乳業の拡大に繋がっていると期待しているが、まだまだ一定程度の改善しか進んでいないのが現状だ」と述べた上で、あらためて酪農乳業として需給の安定を図ることの重要性を指摘。「様々な事業や工夫を行いながら、安定的な酪農生産ができるよう当社としても取り組んでいる。乳業と酪農がともに発展できるよう進めていければ」との考え方を示した。5月14日に開いた24年3月期決算説明会で述べたもの。


また、現在開発を進めているプラントベースフードと国内乳原料の関係性について、佐藤社長は「日本の食はいま非常に不安定だが、我々が持っている乳の知見や技術力を合わせ、しっかりとした食の持続性を保っていきたいということが最もこだわっていることだ」と強調した。


その上で、「乳原料不足の際でも、消費者が乳に求めている価値を損なわないよう、しっかりと商品を届けるためにもプラントベース製品は大きな役割を担うと思っている。この研究によって、さらなる乳の価値が引き出されるのではないか。我々の中核はあくまでミルクで、合わせてプラントベース製品もともに成長させていきたい」と述べた。

「仙台市等で学乳供給再開」――製造工程等で問題確認されず

2024-05-20

宮城県内の一部小中学校等で4月25日、給食に出された牛乳を飲んだ児童・生徒が風味変化や体調不良を訴えていた問題で、仙台市教育委員会は停止していた学校給食用牛乳の提供を5月17日から再開した。


牛乳については、商品検査及び製造工程の検査・検証、立入調査、流通過程の検証・確認が行われたが、いずれも問題は確認されていない。5月20日現在、仙台市以外の一部の市町でもすでに提供を再開、あるいは再開の方針を決めている。


仙台市など県内12市町の小中学校等では、学校給食用牛乳として森永乳業グループの東北森永乳業㈱・仙台工場(仙台市)で製造した「森永牛乳(200㍉㍑)」を供給している。4月25日に体調不良等が発生したとの報告を受け、同社はすぐに商品回収に動き、同26日より供給を停止していた。


検査・検証では食中毒の原因菌などは見つかっておらず、今回の風味異常に関して東北森永乳業は「牛乳の風味のバラつきにより、いつもと違う味がすると児童らから訴えがあった」と推定している。


今後、学校現場においては、校長等が異物混入や風味異常などを確認する検食の体制を強化するとともに、同社においてもサンプル検査の数量を増やすなど、品質管理の強化に努めていく方針としている。


森永乳業㈱が5月14日にオンラインで開いた決算説明会では、今回発生した牛乳風味事案を受けて、大貫陽一社長が、同社及び保健所の検査結果等をあらためて説明した上で「品質管理を徹底強化するとともに、お客様に安心して召し上がっていただけるよう商品づくりに努めていきたい」と強調した。

「国際酪農乳業情報レポート」――第9回


持続可能性推進するDSF① Jミルク

2024-05-20

「家畜飼養」が最重要課題、世界的に対応求められる」


皆さんは、デーリー・サステナビリティ・フレームワーク(DSF)をご存じでしょうか。DSFは2013年に設立された国際組織であり、独自の評価項目について各国の会員がデータを毎年報告し、データを集計して報告書として公表することで、世界の酪農乳業の持続可能性の取り組み状況を伝えています。今年度の本欄では、DSFをめぐる最近の話題のいくつかを、日本国内の取り組み状況にも結び付けながら、4回の連載で紹介していきます。


DSFでは、現時点で世界の総生乳生産量の約30%に相当するデータについて集計を行っています。各国の団体や政府機関など11の組織が、それぞれの国内のデータをまとめて報告する統括会員として加盟しています(日本からは一般社団法人Jミルクが21年3月に加盟)。


DSFには酪農乳業の持続可能性に関する11の評価項目があり、それぞれの会員は重要課題として評価項目の中からいくつかを選択し(日本国内では重要課題を検討中)、測定基準に従ってデータを毎年報告しています。


DSFの最新報告書によれば、重要課題として最も多くの会員が選択した評価項目は、「家畜飼養」でした。【表】には、22年に重要課題として選ばれた評価項目のトップ5とそれぞれのねらいを示しており、上位から「家畜飼養」「温室効果ガス排出」「農村経済」「製品の安全と品質」「生物多様性」の順となりました。なお、6位以下は順に、「土壌養分」「市場開発」「土壌の質と保持力」「労働条件・乳業」「水の可用性と水質・乳業」「労働条件・農場」「水の可用性と水質・農場」「廃棄物・乳業」「廃棄物・農場」となります。今回は、その最上位の「家畜飼養」について取り上げます。


DSFの評価項目には、それぞれに測定基準が設定されており、「家畜飼養」には、これまでは生乳中の体細胞数が設定されてきましたが、家畜健康福祉計画へと数年間で段階的に変更していくことについて、23年中に各国の会員と検討協議され、今年になって決定が通知されました。


DSFの家畜健康福祉計画は、バイオセキュリティとアニマルウェルフェアを重視したものとなっており、もしそれぞれの国内でそれらに関連する実用的な政策や制度があれば、家畜健康福祉計画の作成を一から始めるのではなく、国内の政策や制度に従うことをDSFは勧めています。


「家畜飼養」に関連付けることのできる日本国内の政策や制度は、どのような状況となっているのでしょうか。まず、体細胞数の測定については家畜改良事業団による牛群検定事業の項目の一つとして従来から実施されています。体細胞数は乳房の健康状態を反映するもので、体細胞数が少ない牛群は、健康で乳房炎が少なく品質が良い生乳を生産している牛群であるといわれています。


次に、バイオセキュリティについては、農林水産大臣が家畜の飼養に係る衛生管理の方法に関し、家畜の所有者が遵守すべき基準を定めています。家畜の所有者は「飼養衛生管理基準」の定めるところにより、家畜の飼養に係る衛生管理を行わなければなりません。


そして、アニマルウェルフェアについては、農林水産省が「畜種ごとの飼養管理等に関する技術的な指針」を昨年公表しています。この新たな飼養管理指針は、国際獣疫事務局(WOAH)の基準に基づき、我が国の指針として策定したものです。実施状況は国がモニタリングし、その結果も踏まえ、実施が推奨される事項の達成目標年を設定することとしています。可能な項目については補助事業のクロスコンプライアンスの対象とするなど、アニマルウェルフェアの普及・推進を加速していくとしています。


さて、DSFの最新報告書では、評価項目の一つである「家畜飼養」については、22年のデータとして、測定基準である生乳中の体細胞数の平均値が約18万/mlであったことが報告されています。今後、測定基準が家畜健康福祉計画に変更されれば、各国の国内の酪農場のうち、家畜健康福祉計画を実施している酪農場の数を集計して報告することとなります。


DSFの評価項目の中で「家畜飼養」が重要課題として最も多くの会員に選択されていることや、「家畜飼養」の測定基準が家畜健康福祉計画に変更されていくことは、バイオセキュリティやアニマルウェルフェアの取り組み状況が、酪農乳業の持続可能性を広く社会に受け入れてもらうために伝えられるべきであると世界的に考えられていることを反映しています。


日本国内でもバイオセキュリティやアニマルウェルフェアについては、政府が基準や指針を策定して推進していることからも、酪農乳業界の取り組み状況や実績を発信していくことは、持続可能性のコミュニケーションとしても有効に活用するべき手段の一つであると考えられます。


5月20日号記事6_表

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