全酪新報/2023年7月1日号
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「全酪連配合飼料(乳配)価格、7~9月期1㌧1800円値下げ」――高止まり、依然影響大きい

2023-07-01

全酪連は6月23日、23年7~9月期の牛用配合飼料価格を前期より㌧当たり1800円値下げすると発表した。2期連続の値下げ。22年10~12月期と23年1~3月期が据え置きで、4~6月期は㌧1400円値下げと直近はやや軟調で推移していたが、22年の7~9月期は1万1200円値上げなど、配合飼料の価格自体は大幅に上昇していることから酪農経営への影響は依然大きい。-詳細は全酪新報にてご覧ください-

お断り=本記事は7月1日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「指定団体以外の生乳流通量が拡大」中酪・総会――価格転嫁の阻害要因に

2023-07-01

中央酪農会議が6月27日に都内で開いた定時会員総会の冒頭、隈部洋副会長は8月の乳価値上げに伴う影響も踏まえ、需給と理解醸成の両面で必要な対策を講じていく必要性があると改めて強調。その一方、改正畜安法下で生乳需給が緩和するなか、指定団体外の生乳流通量が拡大傾向にある現状について「この結果、需給調整リスクが指定団体の受託乳量に偏在化し、酪農家間の不公平感やコスト上昇への円滑な価格転嫁を図る上での阻害要因になっている」と懸念を示した。


また、隈部副会長は農水省が現在議論を行っている適正な価格形成の仕組み作りをめぐり「今後の価格形成の在り方は非常に重要なテーマで、本会議でも4月に検討会を立ち上げ、9月の理事会にて論点整理した内容を報告できるよう協議している。しかし、価格形成は消費者への理解醸成対策と需給対策を合わせて構築していくことが重要であり、こうした観点も含めて検討・対応していく」と述べた。


総会では、22年度事業報告・決算など全議案を原案通り承認。また、その後の理事会で行われた任期満了に伴う役員の互選では、会長や副会長、専務を再任。增田昌洋氏(全開連代表理事専務)、尾崎太郎氏(農林中金常務執行役員)、徳田善一氏(ホクレン代表理事副会長)の3名が新たに理事に選任された。

「全国酪農協会創立75周年記念式典開く」――日本酪農の持続的発展誓う

2023-07-01

全国酪農協会(砂金甚太郎会長)は6月22日、東京・元赤坂の明治記念館で創立75周年記念式典を開催した。1946年(昭和21年)に設立され、1948年(昭和23年)に社団法人として認可されて以降、農政活動を柱に様々な事業を展開してきた同協会のこれまでの歩みを振り返り、今後も日本酪農の持続的な発展を関係者一同で誓った。会員酪農団体など80名以上が集まった。


式典では、砂金会長の式辞(別掲)をはじめ、中央畜産会会長の森山裕衆議院議員、農水省の渡邉洋一畜産局長、全酪連の隈部洋会長、日本ホルスタイン登録協会の前田勉会長が来賓として祝辞を述べた。


式典では同協会の歴史を写真集としてまとめた「戦後酪農の75年」の内容をまとめた動画を放映したほか、永年に亘って協会に貢献してきた役職員の表彰


並びに同協会の事業に協力してきた関係会社・団体に感謝状を贈呈した。


牛乳で乾杯の発声を務めた日本酪農政治連盟の佐藤哲委員長は「子どもを育てていくために、牛を飼える人はみんな飼うようになったのが日本酪農の始まりの一つだ。今では牛乳は非常に多くの人にいきわたるようになった」と振り返るとともに「今後も牛乳が時に余ったり、足りなかったりする時があると思うが、そうして酪農はずっと続いてきた。これからも頑張っていけるよう、皆さんのご健勝を祈念して乾杯したい」と述べた。


また、閉会の辞を述べた大久保克美理事(群馬県酪連会長)は、現在の酪農経営を取り巻く厳しい現状について触れ「実直に牛を飼い、汗を毎日朝晩かいている後継者がしっかり経営を続けていけるように。小さな乳業が一生懸命牛乳を売って経営できるようお願いしたい」と話した。

「先人の酪農にかけた熱い思い忘れない」――全酪協・砂金甚太郎会長が式辞

2023-07-01

本日、ここに一般社団法人全国酪農協会の創立75周年記念式典を開催いたしましたところ、何かとご多用にもかかわらず、衆議院議員、公益社団法人中央畜産会会長、森山裕様、農林水産省畜産局長、渡邉洋一様をはじめ、会員団体並びに酪農・乳業関係の多数の皆様方のご臨席を賜り、厚く御礼を申し上げます。


我が国の酪農は、企業的にその芽を出した明治後半期を経て、戦後、政府の強力な酪農振興策により今日まで成長してきました。その中で、特に戦後の食料難の時代には、今日、明日の食料確保が何よりも優先され、貴重であった牛乳は、乳幼児・病人に欠かせない薬の様な栄養源でありました。その後、酪農生産者の懸命な努力により国民の健康の維持、体位の向上に大きな貢献を果たしてきたことは我々の誇りであります。


現在、政府は食料・農業・農村基本法の改正に向けて食料安全保障の強化に向けた検討を続けておりますが、まさにこうした過去の歴史を踏まえれば、不測の事態に備えると同時に平時からの食料安保の確立が国の最重要課題であります。その為にも日本酪農の持続的な発展は欠かせません。


本会は、昭和21年10月22日に発足し、その後、昭和23年1月31日に社団法人として認可され今日を迎えております。この間、幾度も酪農危機に陥りましたが、全国の酪農組織と酪農家が一体となって乗り越えてきました。本会としても設立の趣旨である農政・指導事業において、酪政連や全酪連、日本ホルスタイン登録協会等の友好団体とともに政府・国会に要請活動を繰り返してきたところです。


また、昭和42年には、酪農家の福利厚生に寄与する酪農共済制度を創設し、農政・指導事業の充実に寄与することができました。さらに、平成30年12月末に現在の酪農会館が竣工し、全酪連、酪政連等の酪農関係団体に入居いただき、日本酪農発展の拠点となるべく活動しております。


今日の酪農・乳業をめぐる情勢は、私も一人の酪農家として、かつて経験したことのない、厳しい経営環境が依然として続いております。本日、皆様方にお配りした写真集「戦後酪農の75年」にありますように、数多くの先人が、酪農発展のために全力を尽くしてきた熱い思いには心を揺さぶられるものがあり、本会としては、その思いを決して忘れずに、これから次代を担う酪農後継者が、一日も早く安心して酪農を続けられるような環境づくりに全力を注ぎたいと思います。


今後とも農林水産省をはじめ関係各位の皆様のご指導、ご支援を頂きながら、我が国酪農が将来にわたり持続的に発展するために、本日を新たな出発点として、微力ながら総力を挙げて努めてまいりますことをあらためてお誓い申し上げ、式辞といたします。

「牧場で輝く家畜の命」連載㉖瀧見明花里さんの写真エッセイ

2023-07-01
牧場で輝く家畜の命㉖ A

トカプチ㈱(北海道更別町)のブラウンスイス
伊藤英拓さんは牧場グループ会社の社長

牧場で輝く家畜の命㉖ B

幸せそうな表情の子牛

「初めまして。」伊藤さんの案内のもと牧場にお邪魔すると、早速ブラウンスイス達がのっそのっそと近寄ってきます。日頃から、匂いを覚えてもらうために牧場へ通っているという伊藤さん。それを分かっているかのように、牛たちはグイグイと撫でて欲しそうにアピールをします。数頭はちょっと勢い余って、首を振って興奮気味。牛たちを落ち着かせながら、両手で優しく頬を包みこむ伊藤さんの表情は、愛おしい眼差しそのもので、思わずシャッターを切りました。


一方、私へは「何者だ?」と言わんばかりに見つめる牛たち。そんな視線を感じながらも、少しずつその場に馴染んで撮影を続けていると、社長に負けずと幸せそうな表情を浮かべる子牛もいました。その目を細めて伸びる姿はまるで、心地よい気候を楽しんでいるかのよう。撮影している私にも、幸せをお裾分けしてくれました。初めての訪問でしたが、人も牛も表情豊かで、温かい空気で包み込んでくれた1日でした。(全酪新報では毎月1日号に掲載しています)


プロフィール


瀧見明花里(AKAPPLE)


農業に触れるためニュージーランドへ1年3ヶ月渡航。2017年より独立。『「いただきます」を世界共通語へ』をコンセプトに、牛、豚、鶏をはじめとする家畜動物を撮影、発表。家畜の命について考えるきっかけを届けている。


※写真の無断使用はご遠慮下さい

https://photographer-akapple29.com/

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