全酪新報/2021年6月10日号
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「Jミルク見通し、今年度の生乳生産量1.2%増」――道外移出は新型コロナ禍前の水準に

2021-06-10

Jミルクが5月28日に公表した2021年度の需給見通しによると、生乳生産量は1月見通しよりも上方修正し1.2%増の見込みで、北海道・都府県ともに前年度を上回ると予測した。7~9月の道外移出生乳は新型コロナによる昨年の夏休み短縮の反動等から、9.6%減の16万8千㌧とコロナ禍前と同程度の水準を見込む一方、最需要期の9月は6万5千㌧と前年度以上を見込む。-詳細は全酪新報にてご覧ください-

お断り=本記事は6月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「生乳流通改革、規制改革会議が答申」――取引の実態調査等求める

2021-06-10

内閣府規制改革推進会議は1日、「規制改革推進に関する答申」を取りまとめ、菅義偉首相に提出した。このうち生乳流通改革の検証をめぐっては、2021年度中に農水省による生乳取引の実態調査と必要な措置の実施をはじめ、生乳取引に係るガイドライン作成など取引の透明化向上に向けた運用改善、農水省が作成したルール違反事例集の見直し等を求めていくとした。実態調査は今後閣議決定される規制改革実施計画に沿って進める。


同推進会議の農林水産ワーキング・グループは、昨年10月より農林水産分野における10項目を審議事項として議論を開始。生乳流通改革に関しては、進捗状況等を酪農乳業関係者から意見を聴取して議論を行ってきた。


3月19日開催の同WGの会議では、ルール違反事例集の見直しのほか、農協等による不公正な生乳取引の実態への指摘。公正な取引に向け課題が大きい場合は、指定団体の分割やデジタルプラットフォームの取引透明化等の取組を参考とした検討などの対応是正を求める意見が相次いだ(既報)。


答申では、2018年4月の改正畜安法施行により、酪農家の創意工夫を生かせる環境が整備されたと評価する一方、依然として指定団体による実質的な独占が継続されていると指摘。取引先を自由に選べるような取組が必要としている。


これまでの議論をふまえた実施事項として、生乳取引の実態調査や違反事例集の見直し、生乳取引に係るガイドライン作成など取引の透明化へ向けた運用改善等を行う必要があると明記。乳業に対し、系統と系統外双方の生乳の取扱を公平に行うよう指導するとした。


また、補給金等における加工原料乳の数量算出に係るブロック地域の考え方が実態に沿っていないとして、「全国を1つのブロックとして扱うこと、別会社に中間生産物から最終製品への製造を委託した場合に、1つの乳業工場で製造したと扱えるよう必要な制度改正を行う」と是正を求めた。算出の見直しについては政令改正等で対応していく方針。

「福島酪農再生へ復興牧場を設立、25年度予定」――福島県酪、全酪連、浪江町と連携協定

2021-06-10

福島県酪農協(宗像実組合長)と全酪連(砂金甚太郎会長)、浪江町(吉田数博町長)は6月3日、酪農復興事業に関する連携協定を締結した。同町棚塩地区への復興牧場設立を通じ、地域酪農の再生を図ることが狙い。同日に浪江町役場で行われた締結式で、宗像組合長は「再び浪江町で酪農に携わりたいと願う被災農家の思いと基盤回復のため事業を推進してきた。美しい浪江町の農村風景を取り戻したい」と語った。復興牧場の稼働は25年度予定。経産牛1300頭規模を目指す。


協定では、畜産業の再興に向け、5項目を連携事項として整理。復興牧場の整備建設・運営や町の畜産振興と耕畜連携による循環型農業の推進、人材確保等において協力する。


締結式の冒頭、吉田町長は「浪江町の畜産再生の拠点として復興牧場には大きな期待を寄せている。協力して進めていきたい」。砂金会長は「福島の生産基盤の維持・拡大へ、町の復興と発展に寄与できる牧場を目指す」とそれぞれ述べた。

「牛乳統計4月、昨春反動で牛乳大幅増」――はっ酵乳等は前年下回る

2021-06-10

農水省統計部が5月25日に公表した4月分の牛乳統計によると、北海道及び都府県の増産により全国の生乳生産量は前年同月比1.5%増。新型コロナによる影響が大きかった昨年の反動もあり、牛乳生産量も業務用と学乳の回復から6.3%増と大きく上回った。クリームの生産量も同様の傾向で23.6%増だった。一方、加工乳・成分調整牛乳やはっ酵乳、乳飲料は前年を下回った。乳製品在庫は依然高水準で、脱粉は8万㌧以上の状態が続いている。


全国の生乳生産量は64万3558㌧で1.5%増。うち北海道は35万1168㌧で1.8%増、都府県は29万2390㌧で1.2%増。ともに基盤強化対策など関係者の取組が奏功し増産傾向で推移している。


用途別でみると、牛乳は25万9254㌔㍑で6.3%増。新型コロナの影響を受けた巣ごもり需要は、現在は一巡しつつあるものの3月と同様に全体的には堅調に推移。昨年の反動もあり、学乳は2万7599㌔㍑で416.4%増と3カ月続いて上回った。業務用も2万3528㌔㍑で17.1%増と前月に続き好調に推移している。


このほか、はっ酵乳は9万355㌔㍑で3.8%減。加工乳・成分調整牛乳、乳飲料も下回った。


一方、乳製品生産量は、脱粉1万4158㌧(0.3%増)、バター7074㌧(16.5%減)。在庫量は脱粉8万3824㌧(4.0%増)、バター3万9293㌧(21.1%増)と依然高水準が続く。


6月10日号記事4-表

「牛乳の日に交牧連が酪農家が感謝のメッセージ」――SNSに投稿

2021-06-10

6月1日の「牛乳の日」と6月の「牛乳月間」を迎え、全国各地で酪農家がフェイスブックやツイッター等のSNSを活用して感謝のメッセージを発信している。新型コロナにより酪農・乳業も影響を受けるなか、消費者や、乳業メーカー、運送業者等の関係者に向けて「ありがとう」を伝えるもの。


地域交流牧場全国連絡会でも6月1日に、SNSを使ったイベント「ありがとうを伝えよう!」を展開し、それぞれの牧場等で感謝の言葉とともに写真を撮影。「#交牧連」「#牛乳の日」のタグを付け、SNS等へ投稿した。

「元農相の谷津義男氏が死去」――酪政連顧問、元酪政会会長

2021-06-10

自民党元衆議院議員で日本酪農政治連盟顧問の谷津義男氏(86歳)が6月3日、死去した。群馬県議を経て1986年の衆議院選挙で初当選以降、当選7回。農林水産大臣や衆議院内閣委員長をはじめ、特に農林水産分野を中心とした要職を歴任。自民党酪政会会長なども務めていた。通夜は6月5日、告別式は翌6日に同県館林市の斎場でしめやかに執り行われた。

「牧場で輝く家畜の命」連載① 瀧見明花里さんの写真エッセイ

2021-06-10
牧場で輝く家畜の命①

井上牧場(北海道滝上町)のガンジー牛

牧場で輝く家畜の命②

ブラウンスイス牛

「おはよう、初めまして」


わたしが電気牧柵を越えて、最初に放つ言葉です。この日は、白黒や茶色、オレンジ色の牛さんたちに向けて語りかけました。返事はというと、フガフガと匂いを嗅いだり、興味深くわたしとカメラを観察したり。「何それ?おいしいの?ゴハンくれる人?」そんな声が聞こえてきそう。


「変な人ではないよ。今日は写真を撮らせてね」と語りかけながら、いくつものお鼻に囲まれます。ベロっと伸びる長い舌からカメラを死守しつつ、レンズを覗き込むお顔をパシャリ。座っている牛さんのパーソナルスペースならぬカゥスペースを窺いつつ、「ちょっと失礼」と近寄りパシャリ。時には、反芻している牛さんを撮ろうと近づくも、その表情に見惚れてついついカメラを向け忘れることも。


牛さんたちのマイペースな時の流れを感じながら撮影するひととき。わたしはそんな牧場タイムが大好きです。(全酪新報では毎月1日号に掲載しています)


プロフィール


瀧見明花里(AKAPPLE)


農業に触れるためニュージーランドへ1年3ヶ月渡航。2017年より独立。『「いただきます」を世界共通語へ』をコンセプトに、牛、豚、鶏をはじめとする家畜動物を撮影、発表。家畜の命について考えるきっかけを届けている。


※写真の無断使用はご遠慮下さい

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(業務部・共済制度)
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