全酪新報/2016年1月1日号

2016年度のバター・脱脂粉乳等向けの補給金単価は21銭下げの12円69銭に―自民党「関連対策含めると実質15年度を上回る」

2016-01-01

子牛事故防止対策を関連対策で措置


チーズ向け補給金単価も25銭引き下げの15円28銭


政府・与党は昨年12月18日、2016年度の加工原料乳生産者補給金など畜産物価格と関連対策を決定した。脱脂粉乳・バター等向けの加工原料乳生産者補給金の単価は21銭引き下げの1㌔当り12円69銭に決定した。チーズ向け補給金の単価や一部事業(全酪農家対象の子牛事故防止対策)を脱脂粉乳・バター等向け単価に換算すると自民党は「実質13円43銭となり2015年度を上回る水準となる」と説明した。交付対象数量は脱脂粉乳・バター等向け、チーズ向けとも据え置いた。関連対策では新たな都府県対策も盛り込んだ。

お断り=本記事は1月1日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「畜産部会が価格等について了承」森山農相に答申―「子牛価格上昇は単価の下げ要因」と農水省が説明

2016-01-01

農水省は12月18日、東京都内で食料・農業・農村政策審議会2015年度第2回畜産部会を開き、2016年度の脱脂粉乳・バター等向け補給金単価を1㌔当たり12円69銭、交付対象数量を178万㌧、チーズ向け補給金単価を1㌔当たり15円28銭、交付対象数量を52万㌧とする諮問案について、「試算に示された考え方で定めることは妥当」と了承し、森山裕農相に同日答申した。


答申を受け取った森山農相は「答申を最大限尊重し、畜産物価格を決定する。委員の意見は、今後の畜産行政の推進に真摯に反映させる」と述べた。加えて「飼養戸数、飼養頭数が減少する中、どのように生産基盤の強化を図っていくかが畜産行政をめぐる喫緊の課題だ。TPP関連政策大綱に基づき畜産の体質強化や経営安定対策の強化に取り組む。地域の収益性向上に向けて強力に施策を進める」と意欲を述べた。


なお、牛乳乳製品課によると脱脂粉乳・バター等向けの生産者補給金単価の算定要素のうち、「上げ要素」は乳牛償却費がプラス12銭、家族労働費がプラス5銭など。「下げ要素」は子牛価格がマイナス27銭、乳量増加がマイナス11銭、流通飼料費がマイナス3銭などとなっている。

2015年度補正予算はTPP対策等重点に増額―畜産クラスター610億円に大幅増額、運用見直しも

2016-01-01

政府は12月18日、2015年度補正予算案を閣議決定した。農林水産関係補正予算案は、総額4008億円となり前年度比1227億円増加し大幅な増額予算を確保した。このうち、TPP対策は3122億円となった。畜産クラスター事業は2015年度予算を大幅に上回る610億円を計上し、弾力的な事業運用のため基金化も決めた。補正予算案の重点項目は、①TPP関連政策大綱に基づく施策の推進②農林水産業・地域の活力創造プランに基づく施策の推進③防災・減災対策等の推進――などが柱。


補正予算案について自民党は昨年12月17日の会合で了承した。農水省は当初、総額3871億円(うちTPP対策2985億円)とする原案を示したが、自民党側が畜産クラスター関連事業などの増額を強く要求した。総額で4千億円台、TPP対策で3千億円台の大台を確保した。


政府のTPP関連政策大綱に基づく施策では、畜産クラスター関連事業として「畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業」に610億円を計上、2015年度(計276億円)を大幅に上回る予算額を打ち出す。


畜産クラスター関連事業は、地域ぐるみで収益性向上を目指す畜産クラスター計画に基づき施設整備、機械リース導入、家畜導入を支援するもの。事業を基金化することで、複数年にまたがったクラスター計画への支援など弾力的な事業運用を進める。


また、畜産クラスター関連事業とあわせて基金化する事業として、性判別技術や和牛受精卵移植の活用などを支援する「畜産・酪農生産力強化対策事業」に30億円(今年度比10億円増)、畜産農家の既往負債の負担を軽減する新規対策として「畜産経営体体質強化支援資金融通事業」に70億円を計上した。


さらに、クラスター計画を後押しする草地整備の推進(公共事業)に164億円を計上した。地域ぐるみの飼料生産体制を目指し、大型機械に対応した草地の大区画化、家畜ふん尿を活用した肥培管理かんがい施設整備などを進める。


難防除雑草(シバムギ、ギシギシ等)の駆除とあわせた草地改良の取り組みを支援する草地難防除雑草駆除等緊急対策には7億円を計上。新たに利用率の低下した公共牧場等の草地の有効活用を事業メニューに加えた。


食肉処理施設や乳業工場の再編整備は「加工施設再編等緊急対策事業」(46億円)の内数で実施する。


畜産・酪農関係以外のTPP対策では、農地中間管理事業の重点実施区域における農地の大区画化(公共事業)に370億円、情報通信技術やロボット技術など最新技術の開発支援に100億円、外食や加工業者などと連携した新商品開発の支援に36億円、農畜産物の輸出拡大のための施設整備等の支援に43億円などを一部前倒しで計上した。


このほか補正予算案では、今年度の飼料用米等の生産増に対応するための水田活用の直接支払交付金に160億円、鳥獣被害防止総合対策交付金に12億円などを計上した。

2016年度予算2兆3千億円、飼料用米等の戦略作物助成を増額―政府・与党

2016-01-01

農水省は昨年12月22日の自民党農林水産戦略調査会、農林部会合同会議で総額2兆3091億円(前年比1億円増)とする2016年度農林水産関係予算案を提示し党も了承した。12月24日に閣議決定した。


このうち飼料用米などの戦略作物の作付に助成する水田活用の直接支払交付金は307億円増額した3078億円を計上した。予算編成にあたり森山裕農相は麻生太郎財務相との折衝に臨み、同交付金の充実を要求していた。畜産・酪農経営安定対策は所要額1701億円で7億円減。


12月22日の自民党の会合に出席した森山農相は「当初予算を少しでも増やすことができればという気持ちで努力した。今回の予算を農政新時代の第一歩としたい」と述べた。

酪政連が与党の畜産物価格・関連対策の決定に謝意―佐々木委員長「しっかり生産する」

2016-01-01

2016年度の加工原料乳生産者補給金など畜産物価格等の決定にあたり12月18日の自民党農林水産戦略調査会、農林部会合同会議に出席した酪政連の佐々木勲委員長は「我々の要請を受け止めてもらい、価格決定にご尽力をいただいた。皆さんが期待する日本の食料としてしっかり酪農生産にあたっていきたい」と謝意を述べた。


また、JA全中の奥野長衛会長は「各事業で基金化などをしていただき、腰を落ち着けて対策に取り組んでいける」と述べた。


佐藤北海道酪農協会会長「畜産物価格・関連対策での配慮に謝意」


北海道酪農協会の佐藤哲会長は昨年12月18日に決定した2016年度の加工原料乳生産者補給金単価・交付対象数量、関連対策について「非常に配慮していただいた内容だ。地元の関係者に丁寧に伝えて、皆で頑張ろうと激励していきたい」と述べた。


また、佐藤会長は酪農関連対策として新たに子牛事故防止対策が措置されたことについて「やはり北海道では分娩直後の子牛の損耗率が高い。ここに注目して対策を打ってくれたことは非常にありがたい」とコメントした。

「担い手が描く酪農の未来」―新年特別企画

2016-01-01

酪農後継者の交流と地域の酪農指導者育成を目的に全国酪農協会(馬瀬口弘志会長)は2013年度に「酪農未来塾」を創設した。今までに東京都内で3回開催、延べ約100人が参加した。1泊2日のスケジュールで、酪農に関係する講演のほか、ワークショップを中心に研修する。


全酪新報の1月1日号では、新年特別企画として、岐阜県高山市の武藤康司さん、徳島県阿波市の片岡寛之さん、鹿児島県南さつま市の西園仁教さん、秋田県鹿角市の小林大峰さんの4名の塾生の牧場を訪ねた。それぞれ将来の酪農の未来像をどのように描いているのか、TPPなど諸課題への対応と酪農の魅力など、牧場の紹介を兼ねて話を聞いた。

連絡先・MAP

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所在地 〒151-0053
東京都渋谷区代々木1-37-2
酪農会館5階
電話番号 代表(総務部):03-3370-5341
(業務部・共済制度)
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(指導部・全酪新報編集部)
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