全酪新報/2026年2月10日号
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「全酪アカデミー4組目の修了生が鹿児島で新規就農、前田達弥さん・ヴィオリスカさん『家族で力を合わせて』」
酪農への新規就農を後押しする一般社団法人全酪アカデミー(理事長=熊谷法夫全酪連代表理事専務)から4組目の新規就農者が誕生した。前田達弥さん・ヴィオリスカさん夫妻で、鹿児島県霧島市の牧場を第三者継承、26年元日に経営を開始。1月29日には鹿児島県酪農協(有村洋平代表理事組合長)・全酪アカデミー共催による就農激励会が市内で開かれ、前田夫妻は「お世話になった方々の思いに応えられるよう、家族で頑張りたい」と抱負を述べた。-詳細は全酪新報にてご覧ください-

前田達弥さん、ヴィオリスカさんと娘の翠(すい)ちゃん
お断り=本記事は2月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。
「韓国で口蹄疫再発、防疫対策徹底急務」
韓国で1月30日、口蹄疫が発生した。昨年4月以来、9カ月ぶり。仁川広域市江華郡の養牛農場(246頭)の一件で確認された。旧正月(2月17日)には、ヒト・モノの往来が活発になり、訪日外国人旅行客増加が見込まれることから、農水省動物衛生課は都道府県の畜産主務部長宛てへ、家畜防疫対策の徹底を求める通知を発出。合わせて関係団体に対しても周知や注意喚起を呼びかけている。
防疫対策の徹底は、昨年12月においても年末年始及び春節(旧正月)の注意喚起を促す通知を発出したが、今回の発生を踏まえ、さらなる水際対策の徹底とともに、畜産関係者の海外渡航や異常発生時の早期通報など一層の侵入・まん延防止対策の体制整備が求められる。
「生乳生産量1.8%減少へ、脱粉在庫は対策無しで11万㌧予測 」――Jミルク・2026年度需給見通し
Jミルクが1月30日に公表した26年度の需給見通しによると、全国の生乳生産量は今年度比1.8%減の725万8千㌧。昨年下期より続く主力の2歳以上雌牛頭数の減少から、3年ぶりに前年度を下回る予測。一方、牛乳消費量は、前年を下回り、依然低調に推移する予測(詳細は次号)。脱粉の期末在庫は、今年度は約8万3千㌧で着地する見通しだが、26年度は対策分を加味しなければ11万㌧となる見込み。在庫対策の継続とあわせ、さらなる需要拡大の取り組みが不可欠となる。
26年度の生乳生産量のうち、北海道は0.7%減の427万4千㌧。年内は減少傾向で推移する見込みだが、27年1月以降前年を上回って推移する見通し。一方、都府県は3.3%減の298万4千㌧。概ね2~4%減で推移する見込み。
用途別では、飲用等向けは1.0%減の379万8千㌧。一方、乳製品向けは2.6%減の341万8千㌧。このうち、チーズ向けは1.7%減、生クリーム等向けは0.7%減。脱粉・バター等向けは4.0%減の179万3千㌧を予測する。
都府県の生乳需給をみると、生乳生産量から自家消費量を引いた生乳供給量は296万4千㌧(3.3%減)。飲用等向けは324万3千㌧(1.1%減)。そのため、北海道からの移入量は10.1%増の58万4千㌧の見通し。飲用最需要期の9月は7万㌧(8.0%増)、10月は6万㌧(13.6%増)の予測。
脱粉在庫削減へ業界で議論を
需給見通しによると26年度末の脱粉在庫は、対策がなければ11万㌧で、前期末比32.8%増の見込み。なお、今年度実施中の「酪農乳業需給変動対策特別事業」(Jミルクの在庫削減対策)分の1万2千㌧を反映すると、9万8千㌧(18.3%増)の予測。
1月30日に省内で開いた記者会見でJミルクの渡辺裕一郎専務は26年度の脱粉需給に関して「生乳生産量の減少により脱粉生産量も減少が見込まれる一方、依然需要低迷が継続。在庫は11万㌧まで増加する見込み。なお、在庫対策事業に関しては、26年度も引き続き実施する方針。対象数量等については今後議論して決めていく」と話した。
牛乳乳製品課の須永新平課長は脱粉在庫に関しては、「今後も在庫対策を毎年一定量講じていただければ、安定供給に必要な在庫水準と考えられる5~7万㌧の幅の中に納まると考えている。その上で、いつどれぐらいの対策をすべきか、業界で丁寧に議論してほしい」との考えを示した。

「福島県浪江町で復興牧場『シャインコースト』稼働へ、県酪や町ら5者が連携協定、地域酪農発展へ協力」
福島県浪江町で4月開設へ準備が進む大型復興牧場「シャインコーストファーム」の連携協定締結式が2月3日、浪江町役場で開かれた。福島県酪農協・浪江町・福島大学・全酪連・シャインコースト㈱の5者が復興牧場を中心に地域酪農の再生・発展へ、研究や教育、実習、技術開発の推進や共同でのイベント実施等において連携・協力する。
締結式で福島県酪農協の紺野宏代表理事組合長は「協定は福島県農畜産業の再生と発展に向けた大きな一歩であり、地域に新たな希望をもたらすもの。5者連携による活動が浪江町を中心とした被災地域の活性化につながり、若い世代がこの町で学び、働き、暮らしたいと思える未来につながると確信している」と強調。「福島の酪農が続いていく上での光として、県内の酪農家や休業中の方、そしてこれからを担う人材に向けた明るいメッセージとなれば」と述べた。
吉田栄光浪江町長は復興牧場について「東日本大震災からまもなく15年。この復興牧場が教育・実習の場として多くの学生、実習生や研究者に活用いただき、農畜産業はもとより、町全体の活性化につなげたい。次世代を担う人材を育み、浪江の酪農、地域の未来を拓く大きな力となることに期待する」と話した。
福島大学の新田洋司食農学類長は「現在、大学には大型・中型の動物がおらず、管理のための施設もなく、他大学や農場に実習や研究の協力をお願いしてきた。復興牧場では、今回の協定を通じて教育・研究の発展につなげたい」と述べた。
全酪連の熊谷法夫代表理事専務は「全国の酪農関係者の研修・教育の場としても利用されてきた全酪連の酪農技術研究所(矢吹町)を浪江町の復興牧場に隣接する形で年内を目途に移転する。復興牧場と一体的に研究、技術開発、人材育成に取り組む。将来酪農を目指す仲間が、最先端の技術を導入した浪江町の復興牧場を研修の場として活用いただき、担い手が育ち、全国に巣立っていく拠点となれば」と述べた。
復興牧場を管理・運営するシャインコースト㈱の山崎正典代表取締役専務は「酪農業の再生と、町内農家の耕畜連携により資源循環型酪農を構築して農業の再生を進めることが復興牧場の大きな目的。将来を背負う若い担い手の育成にも取り組み、酪農研究や人材交流、地域振興のための中核となる拠点にしたい」と抱負を述べた。

協定書への署名を行った。左から紺野組合長、熊谷専務、吉田町長、新田学類長、山崎専務









