全酪新報/2025年9月10日号
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「熊本県酪農専門農協6組合が合併予備契約調印式、令和8年4月に新組合誕生へ」

2025-09-10

熊本県酪農専門農協6組合は9月1日、熊本市のらくのうマザーズ会議室で合併予備契約調印式を開催。熊本県酪連の会員組合の熊本乳牛農協、玉名酪農協、鹿本酪農協、大阿蘇酪農協、西阿蘇酪農協、火の国酪農協が合併に向けて予備契約に調印、令和8年4月1日より「熊本県酪農業協同組合」として新たにスタートすることとなった。6組合の酪農家戸数は80戸(昨年度生乳生産量約7万6千㌧)。


飼料価格高止まりや生産コストの高騰が続き、酪農家戸数は減少。厳しい環境下で早期再編の必要性が高まっている。


冒頭あいさつした隈部会長は「熊本県酪農専門農協合併等組織整備推進協議会の山田政晴会長(西阿蘇酪農協組合長)のリーダーシップと各専門農協組合長の協力のもと、ここまでたどり着くことができ、感謝申し上げる」と謝意を述べ、その上で「平成元年に約1400戸あった酪農家は現在359戸まで減少。一方で生乳生産量は20万4千㌧から令和6年度には24万6㌧となり、規模拡大は進んできたが今後も毎年5%以上の離農が想定される。将来的には県一本化を視野に入れ、新組合の経営をしっかり行い、ここに組合員が集まるような形を作っていきたい」と抱負を述べた。


6組合の代表者による合併予備契約書への押印が行われた後、山田会長は「高齢化や後継者不足による廃業など酪農家は減少するばかり。これからは新組合を充実させ、今後に期待していきたい。県内にはJAの組合員が160名ほどおり、県農協中央会の力をお借りしながら県一農協を目指して進んでいきたい」と話した。


立会人を務めたJA熊本中央会の宮本隆幸会長は「JAも一本化を目指して5年ほど取り組んできた。我々は農家の事を第一に考え、若い後継者達が安心して続けられるよう手厚い支援ができる基盤を整えていかなければならない。今後は県一酪農協を目指し、酪農家を支えていってほしい。自分達も県酪連の方針を見習い、出来ることから取り組んでいきたい」と述べた。


熊本県内の酪農専門農協は、平成6年に「一県一酪農協づくり」を掲げ、平成29年には外部有識者を交えた組織再編検討委員会を設置した。令和2年に県酪農組織整備の基本方針を策定し、令和3年に火の国酪農協が当時解散した3つの酪農組合と統合。令和7年2月の熊本県酪農専門農協合併等組織整備推進協議会において、6組合の合併協議を進めることとしていた。


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左からJA熊本中央会の宮本隆幸会長、熊本乳牛農協の坂本保男組合長、大阿蘇酪農協の山本健二組合長、西阿蘇酪農協の山田政晴組合長、鹿本酪農協の隈部洋組合長、玉名酪農協の大村英治組合長、火の国酪農協の安武英之組合長、熊本県酪連大川清治専務

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組合長6名が調印

「エサ活事業に55億8100万円を要求、栄養収量を増加させる取り組みに交付金、支援内容など今年度同様」――26年度農林水産関係予算概算要求

2025-09-10

2026年度農林水産関係予算概算要求では、飼料生産基盤立脚酪農・肉用牛産地支援事業に55億8100万円を要求(エサ活事業、一部既報)。今年度も実施している事業で、地域の関係者が連携して計画的に栄養収量を増加させる取り組みに、引き続き1㌶当たり1万5千円を交付する。そのほか有機飼料の生産も支援する。対象となる主な取り組み内容(表)や事業のメニュー、交付金単価等は概算要求段階では今年度と同様となっている。


事業メニューは①酪農・肉用牛経営者等の連携により良質な飼料生産を最大化②有機飼料の生産支援③飼料生産基盤に立脚した酪農・肉用牛産地支援推進――の3つ。


①で対象となる経営者の要件は、北海道で1頭当たり40㌃以上、都府県で1頭当たり10㌃以上の飼料作付面積を有することが必要。対象の経営者と農協などで構成される地域協議会等が飼料生産最大化に向けた5カ年計画を作成し、実施する取り組みを支援する。主な対象となる取り組みは、栄養収量の高い草種等への変更、マメ科等の混播・追播、二毛作または二期作の導入など。


②の有機飼料生産支援も対象者は①と同様。飼料の有機栽培を後押しするもので、交付金単価は青刈りトウモロコシ等は1㌶当たり4万5千円以内、牧草は同1万5千円以内。いずれも今年度と同様。有機JAS認証取得を求めるものではないが、みどりの食料システム法に基づく、環境負荷低減事業活動実施計画の認定者であることが要件。


③のメニューでは、①と②で実施するための推進活動、要件確認等を支援する。なお、①と②の事業の重複交付は不可。今年度と同様、作付面積の拡大に伴う効率化を考慮した係数を乗じて交付する形を検討している。

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「持続可能な飼料産地形成、配合飼料工場の再編等継続支援」――飼料備蓄・増産流通合理化事業

2025-09-10

来年度の概算要求のうち飼料関連ではこのほか、国産飼料の生産・利用拡大を目的とした「飼料備蓄・増産流通合理化事業」に17億8400万円を要求。事業内容は、①国産飼料増産対策事業②飼料穀物備蓄・流通合理化事業の2つ。①に生産性の高い持続可能な飼料産地形成に向けた取り組みを支援する内容を新たに盛り込んだほか、一部メニューで持続可能性を高める方向で拡充。全体的な事業内容は概ね今年度と同様で、配合飼料工場の再編も引き続き支援する。


①のメニューでは、飼料生産組織の運営強化支援として、大型特殊免許や技術資格の取得、人材育成のための研修など今年度実施の内容をはじめ、繁忙期の異なる産業と連携した人材の確保、組織の持続性を高める取組事例の調査を支援。運営強化により国産飼料の生産作業受託や生産・販売の拡大を推進する。また、子実用トウモロコシ等の国内生産・利用推進に向けた生産技術実証や普及の取り組みを支援。生産性の高い持続可能な飼料産地形成へ、生産・利用の連携体制の構築、強化に係る検討会開催や先進地調査等の取り組みも支援する。


②の飼料穀物備蓄・流通合理化事業のうち備蓄面については、不測の事態に備えて配合飼料製造業者等が実施する飼料穀物や飼料作物種子の備蓄、災害時における配合飼料供給困難地域への緊急運搬、関係者間の連携体制の強化や輸入の多様化の検討を支援。合理化面では、飼料輸送の効率化実証、配合飼料工場の事業再編に向けた調査等の取り組みに対して支援する。

「越境性動物疾病の防疫措置へ万全期す、関係者と連携強化の推進へ」――農水省

2025-09-10

農水省は9月8日、25年度越境性動物疾病防疫対策強化推進会議をオンラインで開催。冒頭、坂勝浩消費・安全局長は「家畜伝染病の発生時は、地域の畜産業を守るため関係者と連携し、防疫措置に万全を期すことが重要となる。本日の会議を通じ、全国的な防疫対策強化が図られることを期待したい」と述べ、出席した都道府県の家畜衛生の担当者らへ、改めて協力を呼びかけた。


坂局長は「本年3月に韓国で口蹄疫が確認されるなど、我が国への侵入リスクはかつてないほど高まっている。また、訪日外国人観光客の増加により違法な畜産品の持ち込みも著しく増え、悪質な事例も顕在化している」と説明。その上で「国としても、船舶・航空便に対する検査の実施や輸出国に対する広報など、水際対策の強化に取り組んでおり、法的な手当ても含めた強化策の具体化の検討にも着手している。都道府県におかれては、発生防止に向けた飼養衛生管理の徹底に加え、万が一の発生に備えた防疫体制の加速化をお願いしたい」と求めた。


会議では、動物衛生課の沖田賢治課長が、越境性動物疾病の発生状況・防疫対策について報告。酪農関連では、7月にランピースキン病について法定伝染病並みの防疫措置を講じることが可能となったことを説明した。


「宮城・吉田明美さんの作品『子宮捻転お産中 がんばれ~牛さん』特賞に」――第15回酪農いきいきフォトコンテスト

2025-09-10

全国酪農青年女性会議はこのほど、「第15回酪農いきいきフォトコンテスト」の入賞作品6点を選出。このうち、宮城県柴田郡川崎町の吉田明美さん(東北酪農青年女性会議)の作品「子宮捻転お産中 がんばれ~牛さん」が特賞に輝いた【写真】。毎年恒例のコンテストで、今年の応募総数は全国から寄せられた45点。入賞作品は、7月17~18日に岡山県内で開かれた全国発表大会において来場者投票によって選出された。


吉田さんの作品は、子宮捻転となった牛の出産の様子をスマートフォンで撮影したもの。当時を振り返り吉田さんは、「獣医さんから通常より難しいケースだと言われた。夫(敬貴さん)がローダーで牛を何度も寝返りさせ、獣医さんが子牛を支え、息子(拓眞さん)も手伝いながらねじれを直して出産に臨んだ。無事に生まれてほしいと願っていたが、2時間ほどかかって母子ともに無事で本当に安心した。生まれた子牛にはねんちゃんとニックネームをつけた」と語る。


吉田さんは数年前にも同コンテストで入賞した経験がある。受賞については「例年、コンテストは可愛い牛と家族の写真や、きれいな風景と牛の写真が多いので、今回は応募しようか迷っていた。でも組合の職員に後押しされて応募してみたが、まさか特賞に選ばれるとは思わなかった」と喜びを話した。


その他の入賞者は次の通り▽村上妙子さん(北海道酪青女会議)「みんなに今日の出来ごとを報告中」▽木目澤久實子さん(東北酪青女会議)「じいじのお手伝い」▽宮本くるみさん(九州酪青女会議)「団子4兄弟」▽久野はるさん(同)「今日も頑張るぞ」▽田中さとみさん(同)「きれいにしてやるけんね!」


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何度も寝返りさせながら無事出産

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