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全酪新報/2026年8月20日号
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「26年度脱脂粉乳期末在庫8万5千㌧超見込む、需給改善の取り組み急務」――Jミルク26年度需給見通し・7月末公表

2026-08-20

Jミルクがこのほど公表した26年度の需給見通しによると、脱脂粉乳の期末在庫は削減対策を加味したとしても8万5600㌧(前年同期比23.2%増)の高水準となる見込み。生乳生産量は前年度より減少するとみているものの、低調が続く牛乳消費の影響は大きい。需給改善に向けて渡辺裕一郎専務は「入口・出口対策についても、具体的な内容の検討を進めている。全国の酪農乳業関係者には、それぞれ地域や経営の実情に応じて、実施可能な自助・共助の取り組みを早期に実践していただきたい」と呼びかけた。-詳細は全酪新報にてご覧ください-

8月20日号記事1_グラフ

お断り=本記事は8月20日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「食料安全保障の強化や農林業の構造転換に必要な予算確保へ議論開始」――27年度農林関係予算概算要求

2026-08-20

自民党は8月6日、東京・永田町の党本部で総合農林政策調査会と農林部会の合同会議を開き、2027年度農林関係予算概算要求に向けた議論を開始。食料安全保障の強化や農林業の構造転換による成長産業化等の実現のための主要事項案を整理し、会合で示した。酪農・畜産関係では、生産基盤の強化や飼料の安定確保などに必要な施策を盛り込んだ。


予算編成にあたり、宮下一郎総合農林政策調査会長は「農林業の構造転換や様々な政策転換を進めるため、農業予算のさらなる充実・確保が必要だ」と強調した。


主要事項は、①食料安全保障の強化②農業の持続的な発展③農村の振興④環境と調和のとれた食料システムの確立⑤百年つづく「森の国・木の街」の礎の確立――の5つ。農業の構造転換による成長産業化と食料安全保障の強化を推進する。


このうち食料安全保障の強化では、家畜改良・畜産情報活用や施設整備・機械導入等による生産基盤強化を進めるほか、堆肥の流通利便性向上等による国産肥料の生産・利用拡大、国産飼料の生産・利用拡大、飼料備蓄・流通合理化に必要な予算の確保を目指す。


このほか、地域計画の実現に向けた担い手の農業機械等の導入、新規就農者の育成・確保、雇用労働環境の整備等、農地の大区画化等、水田の汎用化・畑地化、水利施設の計画的更新や省エネ・管理省力化、スマート農業技術の開発・供給の取組推進、飼養衛生管理の向上や監視・防疫体制の強化、獣医療体制の確保、家畜伝染病、病害虫等への対応強化も盛り込んだ。

「牛乳・乳製品の輸出額4.8%減、LL牛乳等は20%増と大きく伸長」――26年上半期農林水産物・食品輸出額

2026-08-20

農水省は8月4日、2026年上半期(1~6月)の農林水産物・食品の輸出実績を公表した。上半期累計の輸出額は前年同期比880億円、10.9%増の8977億円。上半期の輸出額としては過去最高で、牛肉(13.4%増)など多くの品目で過去最高を記録した。アジア地域を中心に輸出を推進している牛乳・乳製品の輸出額は149億8700万円で4.8%減。育児用粉ミルクを含む粉乳等やアイスクリーム等氷菓の輸出額は減少したが、チーズは30%増、LL牛乳等の牛乳・部分脱脂乳は20%増と大きく伸長した。


農水省が財務省の貿易統計を基にとりまとめた農林水産物輸出入情報によると、牛乳・部分脱脂乳は12億1331万円で、前年同期比1億9971万円、20%増(数量ベース44万1133㌧、12%増)。輸出量が多い香港の輸出額は7億759万円(対前年比13%増)で、このほか台湾16%増、ベトナム2%増、タイ23%増、シンガポール27%増など多くの地域で好調だった。


他方で、粉乳等の輸出額は53億3941万円で、9億4451万円、15%減。輸出量の多いベトナムは31億1072万円で15%減で、香港も22%減と落ち込んだものの、台湾(10%増)、タイ(12%増)、シンガポール(13%増)、マレーシア(20%増)などで前年同期を上回った。


チーズ・カードは14億4838万円で、3668万円、3%増。好調だったベトナム(33%増)、香港(16%増)以外をみると、台湾29%減、タイ12%減、シンガポール39%減など多くの地域で落ち込んだ。


アイスクリーム等氷菓は59億931万円で、7953万円、1%減。台湾や香港、タイ、シンガポール、昨年好調だった中国等では減少した一方、ベトナムは49%増、マレーシアは25%増と大きく伸長した。


8月20日号記事3_グラフ

「熊本県酪連の被災2工場が製造・出荷再開」――令和8年度熊本地震・らくのうマザーズ

2026-08-20

熊本地震の影響で操業を停止していた熊本県酪連(らくのうマザーズ)の2工場が製造・出荷を再開した。このうちLL製品を製造する菊池工場(菊池市東区)は立体自動倉庫内の設備が被害を受けたため稼働を停止していたが、点検を終えて8月5日より製造を再開。牛乳類などを製造する熊本工場(熊本市泗水町)は天井等の破損、機器や設備のずれが確認されたが、工場の点検が完了し、11日から製造、12日より出荷を再開した。


らくのうマザーズは「(稼働状況について平時と比べ)まだ全量は戻っておらず、今後徐々に戻していく形になると思うが、基本的にオーダーがあれば全製品対応できている。被災した会員の皆様、そして行政ともよく話し合いながら、できるだけ早期の復旧・復興に向けて取り組んでいく」としている。


「農水省の事務次官に長井俊彦氏が就任、畜産局長には谷村栄二氏」――農林水産省8月6日付人事

2026-08-20

農水省は8月6日付で、長井俊彦畜産局長を農林水産事務次官とする人事を発令した。後任の畜産局長には谷村栄二林野庁次長が就任した。


同日付の人事ではこのほか、農林水産審議官に坂勝浩氏(消費・安全局長)、消費・安全局長に大島英彦氏(大臣官房検査・監察部長)、大臣官房審議官兼畜産局付に木下雅由氏(大臣官房審議官兼消費・安全局付兼輸出・国際局付)が就任。


渡邊毅事務次官と渡邉洋一農林水産審議官は退職の上で農水省顧問(非常勤)となる。


谷村新畜産局長は2015年に生産局畜産部食肉鶏卵課長、16年に畜産企画課長を歴任。大島新消費・安全局長は16年に食肉鶏卵課長などをそれぞれ歴任している。


「経営支える乳用牛改良、生産基盤の維持発展に」――第1回


農水省畜産局畜産振興課
松永知美課長補佐

2026-08-20

酪農家の減少が続くなか、生産基盤維持には1頭当たり乳量の増加をはじめ、長命連産性や強健性等の向上に向けた牛づくりが求められており、25年4月策定の酪肉近でも一層の乳量増を図る目標設定など、今後の改良の方向性を明記している。本紙では、乳用牛改良を推進する必要について、農水省畜産局畜産振興課の松永知美課長補佐(家畜改良推進班)に解説いただいた内容を3回に分けて掲載する。


1頭当たり乳量は順当に拡大、遺伝と飼養環境が相互に関係


令和に入ってから、新型コロナ禍による脱脂粉乳需要低迷に伴う生乳需給の緩和、ウクライナや中東の情勢、円安による資材価格の高騰など、我が国の酪農をめぐる情勢は依然厳しい状況が続いています。


他方で、2022年度から生産資材価格の高騰を受け、総合乳価が段階的に引き上がるなど、酪農経営における所得も改善傾向にあります。併せて、25年度補正予算に措置された畜産・酪農収益力強化整備等特別対策事業(いわゆる畜産クラスター事業)において、施設整備事業については、持続的な酪農経営への転換を促すために飼料作物面積に関する要件を設けた上で搾乳牛舎への支援が再開され、機械導入事業についても頭数制限が撤廃されました。


加えて、農業構造転換集中対策として持続性向上タイプが創設されるなど柔軟な支援メニューが拡大し、酪農家の皆さんの投資意欲の高まりも相まって、生産基盤の維持・強化に向けた取り組みが進んでいくことが期待されています。


酪農経営は肉用牛経営や耕種作物農家と比較すると、専業の割合が高く、基幹的農業従事者の平均年齢が若い傾向にあります。これは酪農の拘束時間が長いことが理由のひとつと考えられますが、もう少し掘り下げて考えると、酪農経営は非常に多角的な技術が必要な産業であるともいえます。


一般的な作業として、搾乳や飼料給与、ふん尿処理に加え、哺育から育成、繁殖管理などの牛の飼養管理に留まらず、自給飼料生産、衛生対策、さらに近年はスマート畜産技術の進展もあり、新たな技術や機械装置への順応、メンテナンス対応なども行われていると思われます。


飼養頭数が徐々に拡大する中において、多忙な酪農家の皆さんが個々の乳用牛の成績や改良より、酪農経営全体をうまく循環させるための周辺環境の整備や機械装置の導入に目を向けていることも十分理解できます。しかし、そういう時分でも生産者自らの経営やニーズに合致した乳用牛群の改良を止めてはならない、と私は考えています。


昨年、乳用牛群検定事業がスタートから50周年を迎えました。我が国の乳用牛改良の基盤は、データの源である牛群検定参加の酪農家の皆さんのご協力によるものであり、また、牛群検定組合の皆さん、関係機関の皆さんに支えられてきました。日本の乳用牛改良の歴史は牛群検定とともに歩んできたとも言えます。この間、我が国では、その限りある国土を使って酪農の生産性向上を図るべく、1頭当たり乳量を拡大することに注力して乳用牛改良を進めてきました。その成果として、305日乳量は、検定開始当初の1975年は5715㌔であったところ、2024年では9721㌔となったことは大きな成果だと考えています。


乳用牛の乳量、乳脂率、乳蛋白質などの成績は、乳用牛の「遺伝的能力」と飼料給与、気候などの「飼養環境の影響」の効果が相互に関係しあって発現されます。酪農家の皆さんの立場になって考えれば、自らの経営において着手できる取り組みとしては、飼養している雌牛・牛群を改良することで乳用牛の「遺伝的能力」の向上を図り、日々「適切な飼養管理」を心掛けることになります。


この際、雌牛・牛群の改良を進めるには、牛群の中で能力が高い雌牛を選抜し、その能力をさらに引き出せるような優良な種雄牛の精液を交配することにより、より能力の高い後継牛を生産していくことが肝要です。酪農家の皆さんの努力もさることながら、牛群の改良には優良な種雄牛が必要不可欠なのです。

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