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全酪新報/2026年7月20日号
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「クロスコンプライアンスの対象に補給金等追加を、一部生産者による少量二股出荷には規律強化」――自民党畜産・酪農対策委員会
自民党畜産・酪農対策委員会は7月15日、「生乳の需給と価格の安定を図るための施策の強化に向けた提言」を取りまとめた。生乳需給安定クロスコンプライアンスの対象に加工原料乳生産者補給金等の追加及び、一部の生産者による指定団体への少量複数出荷に対する規律強化について、早期に進めていくことを確認した。翌16日には、鈴木憲和農相へ提言を渡した。(右:簗委員長)
冒頭、同委員会の簗和生委員長は「17年の畜安法改正以来、(系統外の生産者の一部には)場当たり的な指定団体の利用や、脱粉在庫対策への不参加がみられ、こうしたことについて生乳需給の安定という点から、生産現場から『不公平だ』との声を多々いただいていた。こうした畜安法の問題に関して、検討を進めることを昨年12月に決議として明記した」と経過を説明。それに基づき党内で議論を重ね、提言案として取りまとめたことを報告した。
その上で簗委員長は、補給金等をクロスコンプライアンスの対象事業に追加するには畜安法においても改正が必要な部分があること、少量複数出荷に対する実効性のある規律を作るべく、進めていくことを説明。「この2点に主眼を置き、皆様方にお諮りし、取り組みを進めていければと考えている」と述べ、活発な議論を求めた。
会合では、簗委員長が提言案の内容を説明した後、議員からの意見を聞き、その方向性について了承を得た。
会合後、報道陣の取材に応じた簗委員長は「提言で示した2点の対応については皆さん賛成で、『どんどん進めてほしい』と、早期に進めていくことについて了解を得た。このうちクロスコンプライアンス対象事業への補給金の追加に関しては、27年度から対象にしていきたいと考えているので、間に合うよう、なるべく早く法律の改正を進めていきたい」との考えを示した。
関係者一体の需給と価格安定へ施策強化
自民畜酪委の取りまとめた提言では、現下の需給状況等も踏まえ、かつての生産抑制を繰り返さぬよう、関係者が協調して需給と価格の安定に向けた施策を強化していくことが喫緊の課題と明記。これらの対応をさらに進めていくため、農水省へ速やかな対応を求めていく具体的な内容として2点を整理した。
このうち、クロコンへの補給金等の追加に関しては、法律の改正が必要となることから、係る作業へ早急に取り掛かるように求めている。
一方、主に系統外へ出荷しつつ指定団体へ少量だけ出荷する、いわゆる「ちょい出し二股出荷」については、指定団体が集乳の申し出を拒めるよう、実効性のある規律の具体化に向けた作業を進めることとした。この規律強化は、省令改正での対応していく方針。
その上で、これら2点に加え、同委員会において引き続き、消費拡大だけでなく、将来にわたって生乳を安定的に生産・消費していくための方策の検証及び検討を行うなど、我が国の食料安全保障の確保の観点からの総合的な議論を行っていくとした。
あわせて、農水省に対し、一連の議論を踏まえ、引き続き生産者の声を聞きながら、需給安定に資する具体的な施策の議論・検討を不断に行い、必要な措置を講じていくことを求めている。

16日夕方、鈴木農相へ提言を渡した
お断り=本記事は7月20日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。
「経営発表最優秀の長恒泰裕さん(岡山県)に農林水産大臣賞、意見・体験最優秀賞は荒井芳幸さん(栃木県)」――第53回全国酪青女発表大会 in 沖縄
7月9~10日に那覇市で開催された第53回全国酪農青年女性酪農発表大会では、経営発表の部では長恒泰裕さん(岡山県)が最優秀賞の農林水産大臣賞を受賞した。また、荒井芳幸さん(栃木県)が意見・体験発表の部の最優秀賞に輝いた(概要は次号以降掲載)。
長恒さんは、最新設備を備えた100頭規模のつなぎ牛舎を新設し、DX技術を活用した効率的な飼養管理を実現。省力化を図りながら自給飼料生産を拡大しているほか、地域の休耕田活用やバイオマス発電の燃焼灰を利用した堆肥づくりなど、地域資源を生かした循環型酪農を実践。さらに酪農体験や研修の受け入れも積極的に行うなど、持続可能な酪農経営に向けて取り組んでいることを発表した。
審査講評では、DX技術を活用した高い生産性と乳質の両立、環境に配慮した循環型酪農、誰もが働きやすい経営体制の構築が高く評価された。
荒井さんは、地元産の国産飼料で育てた牛づくりを目標に、籾米サイレージやイネWCSをはじめ、豆腐粕やブドウ粕など県内産のエコフィードを活用した飼養管理を実践。国産飼料の利用拡大やメタンガス削減による環境負荷低減にも取り組んでいる。また、地域のイタリアンレストランと連携し、経産牛肉を活用した「平田ロッソ牛」として商品化。地域資源を生かした循環型酪農への挑戦について発表した。
審査講評では、飼料自給率の向上や国産飼料の活用による環境負荷低減、環境配慮の見える化、経産牛の地域資源化への取り組みが高く評価された。

農林水産大臣賞に輝いた長恒さん

表彰を受ける荒井さん
「全国F1交配率45.1%と前期比減も依然高水準、性選別精液は26.1%で過去最高を更新」――AIAJ・F1交配率速報値 26年1~3月期
日本家畜人工授精師協会(AIAJ)はこのほど、2026年1~3月期(第1四半期)における乳用牛への黒毛和種の交配状況(F1交配率、速報値)を公表した【図】。全国のF1交配率は45.1%で前期比0.3%減、前年同期比3.1%増。過去最高値だった25年7~9月期よりは下回っているものの、前期に続きF1交配率は高い水準で推移している。他方で、全国における性選別精液の割合は26.1%(前期比1.4%増、前年同期比1.8%増)。利用が増加傾向で推移していた性選別精液は、25年7~9月期に一時減少したが、前期には増加に転じ、今期は再び最高値を更新した。
F1交配率のうち、北海道は36.3%(前期比同、前年同期比4.5%増)。前期と同様、ここ数年間で最も高い状態が続いている。
都府県は56.9%(前期比0.8%減、前年同期比1.3%増)。直近で最も高かった25年7~9月期と比べるとやや下回っているものの、F1交配率は北海道と比較すると依然高い。
都府県を地域別でみると、▽東北45.9%(前期比1.4%減、前年同期比2.7%増)▽関東55.8%(0.8%増、0.1%増)▽東海51.6%(19.5%減、15.7%減)▽北陸61.0%(6.1%増、9.2%増)▽近畿72.1%増(1.0%増、1.3%増)▽中四国69.9%(1.2%減、7.9%減)▽九州69.8%(0.4%減、2.9%増)。近畿や中四国、九州は特に高く、東海は前期や前年同期と比べて大幅に低下した。

「初生牛価格値下がり、ホルスタイン種は5万円低下」――肉用子牛取引情報・農畜産業振興機構
農畜産業振興機構が公表している肉用子牛取引情報(7月15日更新)によると、6月末時点の初生牛の価格は、黒毛和種は51万7815円、交雑種は29万5610円、ホルスタイン種は16万3446円(うちホル雄16万4992円)。初生牛の価格は数カ月間にわたり軒並み上昇してきたが、6月と比較すると7月に入ってからは、黒毛和種は約2万円低下、交雑種は約7万円低下、ホルスタイン種は約5万円低下と、それぞれ値下がりを見せた。











