全酪新報/2025年12月20日号
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「補給金単価㌔2銭引き上げ、交付対象数量は今年度同」――2026年度畜産物価格

2025-12-20

自民党は12月19日、26年度の畜産物価格および関連対策について、加工原料乳生産者補給金単価を今年度より2銭引き上げの㌔当たり9円11銭、集送乳調整金単価を10銭引き上げの㌔当たり2円83銭、総交付対象数量は今年度同の325万㌧に決定した。--詳細は全酪新報1月1日号にて掲載予定です--

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お断り=本記事は12月20日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「性選別精液製造機器の導入支援、農協が行う研修会も対象となるよう拡充」――25年度補正・長命連産対策

2025-12-20

25年度補正で措置した乳用牛長命連産性等向上緊急支援事業(一部既報)では、長命連産性能力の高い精液や受精卵等を利用する取り組みへ前年度補正と同様に奨励金を交付するとともに、本補正では地域の人工授精所等における高機能な性選別精液製造機器の導入等への支援をメニューに追加。また、長命連産性向上に資する研修会開催への支援として、従来は事業実施主体の研修会を想定していたものの、地域の農協が行う研修会も対象となるよう拡充した。


事業のメニューは、①長命連産性の能力の高い乳用種雄牛の交配推進支援②乳用牛の飼養管理技術の向上に対する支援③性選別精液製造機器の導入等支援――の3つ。


このうち①では、長命連産性の能力の高い乳用種雄牛の精液等を利用する取り組みへ奨励金を交付する【表】。対象は今年度と同様、家畜血統登録機関で登録されているホルスタインの種雄牛から採取された精液で、家畜改良センター等が公表した「乳用牛種雄牛評価成績」等に掲載または公表した評価成績を有する種雄牛。NTPの順位や長命連産効果等から単価を決める。


また②では、長命連産性の向上に資する飼養管理技術の普及促進に向け、有識者による検討委員会の開催、パンフレットの作成・配布及び、農協等による研修会の開催など理解醸成の取り組みを支援。基本的には前年度補正の支援内容と同様とする方針で、事業スキーム、必要な事業計画の内容、対象となる精液等の条件の詳細、対象となる種雄牛に関する情報などは、農水省HPの同事業に関するページを参照。


③は、従来普及している性選別精液製造機器と比べ、現在は高機能な機器も多く出てきていることから今回新たに措置した。導入等の取り組みを支援し、長命連産性に優れた乳用雌牛の効率的な生産を後押しする(補助率2分の1以内)。これら各種メニューを通じ、長命連産性に重きを置いた強健な牛群構成への転換を後押しし、持続的な酪農経営に繋げる。

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「取りまとめを自民党農林幹部へ一任、補給金単価や集送乳調整金は現状のコストを反映した設定へ」――畜産・酪農対策委員会

2025-12-20

自民党は12月15日に畜産・酪農対策委員会(簗和生委員長)を開き、26年度畜産物価格及び関連対策の決定に向けて議論。取りまとめを党農林幹部に一任した。会合後、本紙などの取材に応じた簗委員長は「加工原料乳生産者補給金や集送乳調整金単価について現状のコスト状況を反映し、『しっかりとした数字を出してほしい』との声が上がった」と話した。


会合では、12月5日から行ってきた畜酪委の意見を整理。関連対策を含めて予算確保を求める声があったほか、▽乳業による調査研究・新商品開発など需要のベースを上げる取り組みについて、国は集中的に支援すべき▽畜産クラスター事業に関して、既存牛舎の補改修や本当に必要な機械に絞った導入など、農家ができるだけ少ない額で整備できるようにしてほしい▽酪農ヘルパーの採用や要員確保、待遇改善、就農など将来の見通しを持てる支援等、体系的で細やかな仕組みについて国でも検討をお願いする――などの意見が出ていた。


「グリコがアイスで酪農家応援、中酪へ寄付金贈呈」

2025-12-20

江崎グリコ㈱はこのほど、搾って3日以内の国産生乳にこだわったカップアイス「牧場しぼり」シリーズの購入を通じて酪農家を応援する「ミルク愛すキャンペーン」を実施。12月11日には東京・神田の中央酪農会議の会議室でキャンペーンを通じて募った寄付金の贈呈式が行なわれ、江崎グリコの大髙寛乳業事業部長より計150万5540円の目録が中酪の菊池淳志専務へ贈呈された。寄付金は酪農振興に活用される。


同キャンペーンは、8月18日から10月31日まで行われたもの。1商品につき1シール(ホームユース商品は3シール)を、購入レシートを使って特設サイト上で取得し、応募することでLINEポイント等のデジタルポイントがプレゼントされる企画。第5弾の今回は、初の試みとして応募されたシールの枚数×10円を中酪へ寄付し、酪農家への応援に充てられる。江崎グリコの担当者によると、約2万2千人が今回のキャンペーンに参加したという。


贈呈式の冒頭、大髙事業部長は「厳しい外部環境の中、日本酪農を支える酪農家と指定団体への感謝、そして酪農の未来を応援したいという当社の思いに多くのお客様が応えてくれた」と強調。その上で「今回の寄付が酪農業界に対する理解を促進し、業界を支える小さなきっかけとなり、未来に続く一助となることを強く願っている」と述べた。


それを受けて菊池専務は「戸数の減少が止まらず、依然厳しい環境の中でも、酪農家は安全・安心、そして良質な生乳の安定供給に向けて頑張っている」と説明。「江崎グリコの応援は大変心強く感じている。また、これだけ多くの消費者からご支援いただいたことは、日頃より酪農を応援いただいている表れだと思う」と江崎グリコと消費者からの支援に謝意を示した。


最後に「今回の支援に対する思いをしっかりと受け止め、今後とも良質な国産生乳の安定供給に向けて尽力していきたい」と語った。


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大髙事業部長より目録を受け取る菊池専務(右)

「2025年の酪農業界を振り返る㊤(1月~6月)」

2025-12-20

2025年も依然として購入飼料、燃料価格の高止まり等が酪農経営を圧迫、急速に進む離農など課題が山積のまま暮れてゆく。他方で生乳生産については、25年上期は北海道の好調から昨年に続き好調に推移してきたものの、10月から再び減少へ。需給面は牛乳消費低迷が続く一方、脱脂粉乳の生産量は特に直近にかけて拡大、年度末の脱粉在庫過剰が再び懸念されるなど生乳需給は不透明さを増しており、現在は業界挙げて消費拡大を推進中。今年は乳価のさらなる値上げ、生乳生産量の維持・拡大を盛り込んだ新酪肉近の策定、脱粉在庫低減に向けた常設基金の創設、全国的な需給調整の取り組みを補助事業要件とするクロスコンプライアンスの導入など、業界を取り巻く環境も大きく変化した一年だった。


課題山積、生乳需給も不透明、業界挙げて消費拡大を推進


新基本計画、新酪肉近を策定


1月


10日 ドイツ北東部ブランデンブルク州の農場で飼養されていた水牛から、口蹄疫の発生が確認された。1988年以来、37年ぶりの発生。


22日 自民党酪政会が総会で酪農政策をめぐり要望等を聴取。自給飼料生産に向けた支援の充実をはじめ、24年11月に福岡県で発生したランピースキン病への徹底対応を求める声。


同日 食料・農業・農村政策審議会企画部会が食料・農業・農村基本計画の骨子案を提示。食料安全保障や食料供給等に関する5テーマを設定。


31日 Jミルクが25年度の需給見通しを公表。全国の生乳生産量は24年度比0.8%減の728万8千㌧と、2年ぶりの減少を予測。高水準の脱粉在庫見込みから需要拡大の必要性を強調した。


同日 乳製品の国家貿易による25年度の輸入枠数量を検証。脱粉需要の低迷など需給状況を踏まえ、最低数量(カレントアクセス、生乳換算13万7千㌧)の範囲内に留めると発表。


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新たな基本計画案の答申を受ける当時の江藤拓農相(右)


需給調整への協力、補助事業要件に


2月


6日 ホクレンは25年度の用途別原料乳価格について、6月1日取引分より乳製品向け全用途を生乳1㌔当たり3円値上げ、バターと生クリームはそれに7円上乗せの10円値上げで合意したと発表。


12日 新酪肉近策定をめぐり、自民党の畜産・酪農対策委員会は関係団体から意見聴取。生産基盤の維持・強化への支援を求める声が相次いだ。


20日 食料・農業・農村政策審議会畜産部会で新酪肉近の骨子案をめぐり議論、消費拡大や需要に応じた生産を柱とすることに。


28日 農水省は、全国的な需給調整の取り組みを補助事業利用の要件とするクロスコンプライアンスの25年度からの段階的な導入を決定。牛乳乳製品課が概要や運用方法等を記載した通知を関係者へ発出。


飲用向け乳価など値上げへ


3月


14日 韓国で口蹄疫発生。23年5月以来、1年10カ月ぶり。関係者へ防疫対策徹底と注意喚起を呼びかける。


19日 大幅な需給変動時への備えとして創設する常設基金「酪農乳業需給変動対策特別事業」について、Jミルクが臨時総会でその運用を正式決定。拠出割合は生産者と乳業者が1対1。事業規模は155億円。


27日 新たな食料・農業・農村基本計画案を答申。食料安全保障の確保に向け、今後5年間で集中的に農業構造転換を推し進める。


31日 関東生乳販連と大手乳業メーカー3社間で進めていた25年度乳価交渉が、飲用向けとはっ酵乳等向け乳価を「生乳㌔当たり4円値上げ」で合意した。8月1日取引分より適用。


農産品含む日米関税交渉本格化


4月


11日 新酪肉近が決定。30年度の生乳生産目標を732万㌧、長期的(概ね10年後)には現行酪肉近と同じ780万㌧に設定。地域別目標として北海道は増産を掲げた一方、都府県は生産基盤維持を目指すとした。


15日 ホクレンは飲用等向けとはっ酵乳向け、その他向け(乳製品用途以外)の3用途について、それぞれ生乳㌔当たり4円値上げで大手乳業者等と合意。3月末の関東における飲用向けと同様、8月1日取引分より適用する。


16日 第2次トランプ政権下で日米の関税交渉が本格化。農産品の市場開放に懸念。


23日 デンマーク国王のフレデリック10世が初来日。持続可能な食料生産の確立へ、2国間の連携・協力を確認。


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デンマーク王国のフレデリック10世(左から2人目)


5月


13日 農水省が届出伝染病のランピースキン病の対策を強化。法定伝染病と同程度の防疫措置を行えるよう農相へ答申した。行政判断で患畜が殺処分可能に。


21日 江藤拓農相の後任として、小泉進次郎氏(衆議・神奈川11区)が農相に就任。


6月


10日 東海牛乳㈱(岐阜県)の一部牛乳製品で風味異常を確認、自主回収が行われていた問題で、自主回収の範囲を拡大すると発表。2度にわたり牛乳を自主回収。


24日 全国酪農協会が開いた総会で任期満了に伴う役員改選が行われ、砂金甚太郎会長が退任。隈部洋氏(全酪連会長)が新たに会長に就任。

連絡先・MAP

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所在地 〒151-0053
東京都渋谷区代々木1-37-2
酪農会館5階
電話番号 代表(総務部):03-3370-5341
(業務部・共済制度)
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(指導部・全酪新報編集部)
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