全酪新報/2025年12月1日号
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「脱粉在庫低減を継続支援、牛乳・乳製品の需要拡大の取り組み後押し」――2025年度農林関係補正予算
政府は11月28日、2025年度補正予算案を閣議決定。農林水産関係には総額9602億円(前年度比924億円増)を計上した。脱脂粉乳の在庫低減や牛乳・乳製品の需要拡大の取り組みを継続支援するほか、畜産クラスター事業は増額。また、国産飼料の増産や国産チーズの生産奨励などに必要な施策を引き続き措置し、生産基盤の維持・強化を後押しする。-詳細は全酪新報にてご覧ください-
お断り=本記事は12月1日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。
「再生産可能な酪農経営の実現へ尽力、必要な予算確保めぐり意見相次ぐ」――自民党酪政会
自民党酪政会(森英介会長、千葉11区・衆議)は11月21日、東京・永田町の憲政記念館で総会を開き、酪政連より26年度酪農政策や予算確保に関する要望を聴取。酪政会議員からは、現場の視点に立った政策を進めるべきとの意見や脱粉対策の継続、鳥獣被害対策に関して現場の声に十分応えられる予算確保を求める声があり、酪農家がこの先も経営を続けられるよう、懸命に取り組むことを誓った。(右:森会長)
冒頭、森会長は最近の酪農情勢をめぐり「副産物価格は比較的好調だが、一方で、農業用機械価格は大幅に上昇。また、8月に飲用乳価は値上げされたが、消費は減退。現在は酪農経営にとってプラスとマイナス要因が混在しながらの状況が続いている」と強調。自民党酪政会として「酪農経営の存続を図るため、引き続き各種酪農対策の実施に懸命に取り組む」と酪農振興策の実現に向け、意欲を述べた。
また、11月15日に東京・豊洲で開かれたミルクフェスにふれ、「当日は約2万7千人が来場し、大変好評だったと聞いている。やはり消費あっての生産。官民挙げての消費拡大運動が必要だ」と話した。
総会では、農水省の長井俊彦畜産局長が酪農をめぐる情勢について説明。その後、酪政連の柴田輝男委員長が、酪農ヘルパーの要員確保に向けた対策や水田活用の直接支払交付金の継続・拡充、消費拡大施策の推進、鳥獣被害対策など、今後の酪農政策・予算確保に関して要請。また、最近の為替の円安進行について、輸入飼料価格への影響も懸念されることから、酪農家戸数減少につながらぬよう、対応を求めた。
酪政会議員の上月良祐参議(茨城)は「需要に応じた生産をやっていかないといけない。政策を作る上では長い目で需給、価格、あるいは生産の体制、北海道と都府県含めよく見て、政策を作ってほしい」と要望。また、「人手不足で省力化へ投資が必要だが、機械も高い。しっかりと支えてほしい。脱粉対策の継続も必要」と述べた。
来年度の加工原料乳生産者補給金や集送乳調整金について、東野秀樹参議(比例)は「物価高に加え、生産コストも上昇しており、ドライバーも不足している。実際のコスト見合いの生産費を基準とする単価、また調整金等の予算もしっかりと確保いただきたい」と求めた。
このほか、鳥獣被害対策に関して藤木眞也参議(比例)は「自給飼料を作付けてもシカやイノシシにやられてしまうのは本当に悔しい。予算が足りないから網が張れないと多くの農家から声が上がっている。待ってる方がいることを分かってほしい」と語った。
「年度末の飲用不需要期を前に鈴木農相が牛乳飲んで消費呼びかけ」――農水省定例会見
年末年始、年度末の飲用不需要期に向け、鈴木憲和農相は11月21日の定例会見で、地元・山形県産の牛乳を自ら飲み干し、牛乳やヨーグルト等の消費拡大への協力を呼びかけた。
鈴木農相は「寒さが増す季節になると、消費が減り、一方で乳量は順調という傾向にある。そこに生じる需給ギャップが、冬場における課題。牛乳の安定供給を確保していくには、牛乳やヨーグルトの需要拡大が急務だ」と述べ、課題を多くの人に知ってもらう必要があると語った。
その上で「業界では牛乳でスマイルプロジェクトの下、様々な情報発信に取り組んでいる。20日の参議院・農林水産委員会でも(牛乳を)3杯飲んだが、(私自身も)率先して牛乳をいただき、ヨーグルトを食べることで、酪農家の皆様を応援していく」と強調。「消費者の皆様には特に寒くなるこの時期に、ホットミルクや、牛乳やヨーグルトを使った煮込み料理など消費拡大に協力をお願いしたい」と呼びかけた。
本年は生乳生産が伸長する一方、価格改定等の影響から消費は前年を下回るとみられ、脱粉・バター向けが高水準で推移する見込み。年末年始の処理不可能乳の発生も懸念されており、業界協調での取り組みが求められている。

地元・山形県産の牛乳を飲み干す鈴木農相(農水省提供)
「臼井勉氏(酪農とちぎ農協組合長)、長恒泰治氏(おかやま酪農協前組合長)に旭日双光章」――令和7年秋の勲章・関係10団体が祝賀会開く
全酪連、酪政連、全国酪農協会など酪農関係10団体は11月21日、令和7年秋の勲章で旭日双光章を受章した臼井勉氏(酪農とちぎ農業協同組合代表理事組合長、76歳)と長恒泰治氏(おかやま酪農業協同組合前代表理事組合長、73歳)の祝賀会を都内で開いた。(右:臼井氏)
農水省の関村静雄大臣官房審議官、中坪康史牛乳乳製品需給対策室室長などが来賓として出席した。
主催者を代表して酪政連の柴田輝男委員長が祝辞を述べ「おふたりは、生乳生産の安定供給に向けた取り組みを始め、品質向上に向けた乳牛改良を核とした指導的役割、組織運営の強化や、後継者育成、環境に配慮した持続可能な酪農の推進など、多岐にわたり地域酪農を牽引してこられた。酪農は、毎日の積み重ねが未来を作る、命を継ぐ産業であり、その歩みは決して平坦なものではない。その中でお二方は揺るぎない情熱を強い使命感で仲間を支え、その姿勢は酪農に携わるものの励みであり、地域の誇りである。今後とも酪農業界のご指導とお力添えを賜りますようお願い申し上げます」と功績を讃えた。(右:長恒氏)
来賓を代表してあいさつした関村審議官は「臼井氏は、栃木県における乳牛改良と酪農業を担う後継者の育成を推進するとともに、酪農とちぎ農業協同組合の理事として組織再編に取り組まれ、組合長として生乳生産基盤の強化を進めるなど、地域酪農の発展にご尽力された。長恒氏は、蒜山地区の代表的生産者として活躍されるほか、集送乳の合理化や岡山県酪農専門農協の県内一元化に貢献され、おかやま酪農業協同組合の組合長として生乳生産基盤の強化、地域酪農の発展にご尽力された。お二人のご苦労を察すると、甚だ感服するばかりであり、叙勲の栄誉として認められたことは、私どもにとっても大きな喜び」と祝辞を述べた。
謝辞として臼井氏は「酪農とちぎを母体として、県内や全国の色々な組織の方にご支援いただいた結果、受章となったと思う。皆様方のお陰であり、感謝申し上げたい」。
長恒氏は「20歳で酪農を起業してから今日に至るまで、皆様のご協力がなければ今日はなく、改めて感謝申し上げる。今後とも、皆様のお力により日本酪農が隆盛を極めることを願う」と述べた。

長垣氏と臼井氏夫妻及び関係者の皆さん









