乳滴/2025年5月10日号
もうひとつの戦争は?

トランプ大統領の相互関税問題等でロシアのウクライナ侵攻関係の報道が陰に隠れた感があった。
既報の通り、この件もトランプ大統領が関与している。ロシアが2014年に一方的に併合したウクライナ領クリミア半島の奪還断念を拒んだゼレンスキー大統領を、トランプ大統領は自身のSNSで「数年前に失われ、議論の対象ですらない。ロシアとの和平交渉に極めて有害だ」と批判しているが、この理屈が理解出来ない。
また、ルビオ米国務長官がパリでの高官協議でウクライナ側に、米国によるロシアのクリミア併合承認やウクライナのNATO加盟断念など、ロシアに配慮する仲裁案が提示されたが、当然ウクライナ側が受け入れられる内容ではなく、米国の仲裁による解決の糸口が見えない状況であった。
しかし事態は急変、日本時間5月1日、両国間で復興投資基金設置に合意。基金を通じて米国はウクライナの鉱物資源等の開発プロジェクトへの権限を得る模様。また新たな軍事支援も米国負担で、との説明も。このことにより戦争の終焉が見えてきたか。
この戦争は貿易戦争とは異なり、尊い人命が失われている。早急な解決を切に望む。
また、この問題が資源価格等を上昇させて酪農業界に影響を及ぼしたことを忘れてはならない。