乳滴/2018年6月10日号
アンテナ高くしよう
世界の牛乳乳製品の生産量を生乳換算でみると約8億3千万㌧と、わが国の110倍以上にもなる。牛乳乳製品は世界の基礎食料の一つだが、特徴は自国消費が優先されるため、輸出に回される数量が少ないことがある。輸出割合は8%程度しかない(17年FAO資料)。
主要輸出国はニュージーランド(NZ)、豪州、EU、米国等の一部に限られる。異常気象など不測の事態が発生すれば、ただちに国際市場に影響が及び価格が高騰しやすい需給構造にある。
さて、輸出大国であるNZや豪州は、合意したTPP11の参加国。EPA大枠合意のEUは、世界の輸出量の36%を占める最大の輸出地域である。今後、両協定が発効すれば、徐々に国内への影響が出始めるだろう。
一方で新興国の発展と共に世界の牛乳乳製品の需要は今後とも伸びると言われている。国際化が進み海外の酪農乳業の情勢がより密接に関係してくるということだ。アンテナを高くしておく必要があろう。
幸い今はインターネットがあり、国内外の情勢を知ることができる。例えば、Jミルクのホームページでは牛乳類の販売速報をほぼリアルタイムに近い週間単位で公表、また、乳製品の国際価格の動向もグラフで分かりやすく知ることができ参考になる。