全酪新報/2022年10月10日号
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「価格改定の影響に対応するため、業界挙げた消費拡大必要」――Jミルク見通し

2022-10-10

Jミルクが9月末に公表した需給見通しによると、2022年度の生乳生産量は北海道の増加から全国で768万7千㌧、0.5%増を見込む。牛乳等の製品価格値上げにより、生乳生産量は2.4%減を予測した。一方、10月以降の食品全体の値上げにより消費者の家計防衛意識が強まるとの予測もあり、見通し以上に飲用需要の減退も予想されることから、業界を挙げた消費拡大等の取組の重要性は一層増している。-詳細は全酪新報にてご覧ください-


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お断り=本記事は10月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「需給緩和リスク、昨年以上に懸念」一層の消費拡大、連携を――Jミルク・内橋専務

2022-10-10

Jミルクの内橋政敏専務は11月1日からの製品価格の値上げの影響について言及。歴史的な円安や入国制限緩和に伴うインバウンドの回復による需要増に期待を示す一方、10月からの食品全体の値上げによる消費減退に懸念を示し、前回の7月見通し以上に処理不可能乳の発生懸念が高まっていると説明した。「足元の牛乳消費は落ち込んでいるが、北海道や都府県では生産抑制の強化に取り組まれると聞いている。消費拡大にも一層取り組み、乳業とも余乳処理について連携を図っていく」と強調した。9月30日にJミルクが開いた記者会見で述べたもの。


Jミルクの説明によると、2022年度の脱粉生産量16万8700㌧に対し、推定出回り量は13万5400㌧の予測。差は製品ベースで約3万4千㌧だが、在庫対策を加味しない場合、4万2千㌧(製造係数で生乳40万㌧以上)の需給ギャップがある。


このギャップについて内橋専務は「解消されなければ、同じことを繰り返し、現下の大幅な緩和状況は改善されない。それでは生産者が安心して営農できず、乳業も経営リスクを抱えたままの状況が続く。この状況を共通認識とし、業界を挙げての努力が必要」と強調。今年度の需要拡大対策や生産抑制等実効性ある手法も含め協議・実行するとともに、次年度に向けた対策の具体化についても議論を進めていくべきだと話した。

「総合経済対策、自民党が重点事項案を提示」――国産粗飼料強化等盛り込む

2022-10-10

自民党は10月5日、党本部で総合農林政策調査会、食料安全保障に関する検討委員会、農林部会の合同会議を開き、10月末をめどに取りまとめを目指す総合経済対策の農林関係における重点事項案を提示した。酪農関連では、飼料作物の国産化や国産粗飼料の生産拡大・広域流通、畜産クラスター事業の支援などを盛り込んだ。文言の修正加筆は農林幹部へ一任し、18日の会合で他分野からの報告とあわせ、党としての提言を取りまとめる方針。


議員からは、価格改定後の11月以降の牛乳の需要減少や脱粉の在庫削減対策を盛り込むべきなど、様々な意見が上がった。


これらを受けて江藤拓総合農林政策調査会会長は「在庫対策を含め、酪農・畜産分野については、年末の畜産物価格等の議論も踏まえ、今回の総合経済対策で盛り込むことができるか精査した上で文章も少し考えたい」と述べた。

「2022年度の国家貿易、カレント枠内でバター数量を拡大」――農水省

2022-10-10

農水省は9月30日、今年1月と5月に行った2022年度の国家貿易によるバター及び脱脂粉乳の枠数量を検証した。国内の生乳需給緩和状況を受け、輸入枠数量はカレントアクセス(CA、生乳換算13万7千㌧)の範囲内に引き続き留める方針を示した。一方、品目ごとの枠数量はCA内で再検証、バターはこれまでほぼ全量落札されており年末には需要期を迎えることから、1月に設定した7600㌧から9788㌧へと数量を拡大する。


8月末時点の乳製品在庫量は、バターは4万964㌧(前年同月差1446㌧減)、脱粉9万6803㌧(同6256㌧増)。バターは消費が増加傾向で在庫量も減少している一方、脱粉は生産が消費を上回り、国や関係団体が対策等を講じてきたものの、在庫量は依然高水準が続いている。


検証では、全体の枠数量はWTOで輸入を約束している最低輸入機会数量であるCAの範囲内に留めるが、品目ごとの数量は輸入・売渡入札の実績や要望等を踏まえて設定した。脱粉は国際協定に則り前回同様の750㌧(生乳換算約5千㌧)。バターは7600㌧から9788㌧(同約12万㌧)と拡大。一方、ホエイは4500㌧から1283㌧(同約9千㌧)、調整食用油脂の原料等に利用されるバターオイルは500㌧から185㌧(同約3千㌧)にそれぞれ減らす。


年末年始等不需要期には、さらなる乳製品在庫増も想定される中、30日に開かれた実需者会議でも、生産者団体から入札時期や枠数量等への配慮をはじめ「国家貿易制度の今後の運用については、これまでの酪農乳業界全体での需要拡大の取り組みや現場の窮状に十分配慮したものとするようお願いしたい」などの意見が上がった。

「酪農が一番大変と理解」――酪政連が就任祝いで表敬、野村農相述べる

2022-10-10

酪政連(佐藤哲委員長)は10月5日、このほど大臣に就任した野村哲郎農相を表敬訪問し祝意を伝えた。その後、本紙など酪農専門紙の取材に応じた佐藤委員長は「耕畜連携の重要性などが話題に上ったほか、野村農相から『酪農がいま一番大変な状況にあるのは分かっている』とのお言葉をいただいた」と説明。


その上で、今後の情勢について「飼料緊急対策も講じていただいたが、11月の値上げ後、どう動いていくのか影響が心配だ。そのために酪政連としても適切に対応する必要があるし、いざという時は先生方にも協力をお願いしていく」と述べた。

「全酪連が需給調整セット発売」生産者・消費者へ啓蒙――専用ECサイト限定で11/30まで

2022-10-10

全酪連(隈部洋会長)は10月1日より、生乳10㌔から作られる脱粉とバターをイメージした「全酪連 需給調整セット」の取り扱いを専用ECサイト限定で始めた。生産者をはじめ酪農関係者や消費者へ需給調整の重要性を身近に感じてもらうことが目的。農水省とJミルクが行っている「牛乳でスマイルプロジェクトの一環として実施する。ECサイトでの取り扱いは11月30日まで。発送は受注製造のため12月以降を予定している。税込み1782円。


セット内容は全酪連北福岡工場(岩手県)で製造した脱粉、加塩タイプのポンドバターに加え、脱粉を溶かすための泡立て器や計量スプーン、脱粉用の小分け用袋を詰め合わせた。脱粉を利用したメニューを紹介するJミルクのレシピサイトを閲覧できる二次元コードを記載したチラシも同封する。


全酪連酪農部は「酪農家には、余剰乳が発生した際、酪農乳業界が需給調整対応することで成り立っていることを再認識いただくとともに、消費者にも国産乳製品の消費拡大とあわせ、あまりなじみのない需給調整について知っていただきたい」と販売の狙いを説明している。


その上で「消費シーンの多いバターとあわせ、この機会に脱粉を料理に使っていただき、今後の食生活に取り入れてほしい。国産乳製品の消費拡大のきっかけづくりになれば」と話した。


今回、ALICの「ウィズコロナにおける畜産物の需給安定推進事業」の販路拡大等支援事業を活用しており、11月1~14日の間に購入手続きを行うと送料は無料。申し込みは専用ECサイト『全酪連ストア』で検索または下記の二次元コードより。


10月10日号記事6-画像

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