乳滴/2026年4月10日号
肥料危機
アメリカ・イスラエルとイランの戦争で、ペルシャ湾のホルムズ海峡が事実上閉鎖されひと月が経過。世界の石油供給が滞っているが、海外メディアが警告するのは世界の海上貿易の3分の1がこの海峡を通過する「肥料」である。世界的には肥料工場の操業停止により、秋の収穫が危ぶまれている。
湾岸諸国は天然ガスからアンモニアを合成して窒素肥料をつくる一大産地で、リン酸肥料も世界生産の約20%、石油・天然ガスの副産物で肥料製造に欠かせない硫黄も世界供給の25%を占める。
カタールには液化天然ガス生産施設と世界最大の尿素プラントがあるが、海峡封鎖の影響でインドでは3カ所の尿素工場が減産、バングラデシュでも4カ所の肥料工場が操業停止となった。
以前も本欄で書いたが海峡封鎖が長引けば、燃料コストが上昇しいずれ配合原料を含む生産資材費値上げとなって農家へのシワ寄せにつながる。さらに肥料も流通が滞れば争奪競争となり、結局農家の負担が増す。農家にとってやるせない状況だ。
ただ、こうしたピンチのなかで、乳牛達が排出する大量のふん尿の価値が相対的に高まることに期待したい。乳・肉に加え、たい肥・液肥を生み出してくれる乳牛の偉大さを、多くの人に知ってほしい。









