全酪新報/2022年5月20日号
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「消費拡大の取組推進へ、ALICの販路拡大支援事業」――ECサイト活用の販路開拓後押し

2022-05-20

2022年度のALIC(畜産振興機構)事業「ウィズコロナにおける畜産物の需給安定推進事業」では、脱脂粉乳の飼料転用を推進する在庫低減支援対策のほか、販路拡大等支援事業(8億7千万円)として、生産者と乳業者を構成員とする販路拡大協議会が実施する消費拡大の取組に必要な広報資材等の作成費用を支援する。乳業等によるECサイト上での牛乳・乳製品等の販路開拓や増量販売なども後押しし、業界全体で脱粉の過剰在庫解消や生乳需給の安定化を図る。-詳細は全酪新報にてご覧ください-

お断り=本記事は5月20日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「異常補填4期連続で発動、1㌧当たり1749円」――配合飼料、21年度1~3月分

2022-05-20

飼料原料の高騰や配合飼料価格安定制度の財源対策として、政府は4月28日、「原油価格・物価高騰等総合緊急対策」の中で2022年度一般予備費として434億8100万円を措置した。異常補填金の所要額積み増しに充てる形で支援する。


2021年度第4四半期(2022年1~3月分)の異常補填金の単価がこのほど、「1㌧当たり1749円」に決定した。異常補填の発動は4期連続となる。通常補填金の単価は、既に決定している単価の5200円から同金額を差し引き、1㌧当たり3451円となる。


政府は4月28日、異常補填金の所要額の積み増し支援として、原油価格・物価高騰等総合緊急対策の中で434億8100万円を措置。また、高騰が続いても制度が発動しやすくなるよう、2022年4~6月と7~9月のみ、異常補填の発動基準を115%から112.5%へと引き下げた。次期4~6月分の財源としては十分との見方がある一方、ウクライナ情勢など今後の動向は不透明なことから予断を許さない。

「大熊牛乳乳製品課長、指定団体の機能改めて強調」――需給調整、経営安定支える

2022-05-20

5月11日に行われた専門紙との懇談の席上、牛乳乳製品課の大熊規義課長は需給緩和が継続する一方、一部地域では農協系統外への出荷の動きが散見される状況について「系統外取引のメリット・デメリットはあるが、経営安定には生産コストを低減して所得を確保することが大切。北海道で決められた生産抑制対策は酪農乳業双方の持続的な発展において大切な取組だ」と強調した。その上で価格交渉力や販売調整力、輸送コスト削減など指定団体機能が需給バランスや酪農家の経営を支えているとの認識を示した。


一方、系統外出荷のほとんどは飲用乳向けで取引されていることから、大熊課長は「需給緩和時や不需要期において飲用乳の販売価格を下げ需給調整をしている実態もあると聞く。安定した生乳出荷が可能か否かを考慮した上で、生産者が出荷先について判断を行う必要がある。その上で指定団体以外の団体やそこへ出荷する酪農家においても国内の需給バランスを勘案した生産に取り組むことが経営安定につながることを理解いただきたい」と話した。

「生乳需給、飲用需要の低調続く」――生乳生産好調も在庫過剰

2022-05-20

農水省牛乳乳製品課は5月11日、21年度以降の需給をめぐり本紙など酪農専門紙と懇談。21年度の全国の生乳生産量は2.9%も上回った一方、牛乳等向けは低調が続くものの、第3四半期よりも減少幅が縮小。牛乳生産量は年度末の消費拡大の取組もあり0.1%増と前年度並みで推移した。巣ごもり需要の一巡等もあり現在の飲用需要は低調が続いており、需給改善に向けた生産抑制や消費拡大への一層の取組が求められている。


21年度の生乳生産量は764万6500㌧で前年度比2.9%増と堅調に推移。うち北海道は431万1500㌧(3.7%増)、都府県も333万5千㌧(1.8%増)と北海道・都府県ともに上回った。


用途別で見ると、牛乳等向けは0.9%減の399万7800㌧。他方で、乳製品向けは7.3%増の359万9300㌧で、液状乳製品向けは4.3%増の124万6500㌧。チーズ向けも5.7%増の43万6500㌧と好調に推移した。脱粉・バター等向けは186万4500㌧と10%増と大きく上回っている。


乳製品生産量は、仕向け量の増加から脱粉15万9700㌧(13.7%増)と大幅に増加。バターも7万5100㌧(5.8%増)と前年度を上回った。年度末在庫量は脱粉が過去最高の9万7700㌧(20.3%増)。バターは3万9600㌧(1.8%増)。


一方、処理不可能乳の発生が危惧されていた年度末や5月の大型連休の需給について、同課の大熊規義課長は「乳業工場における生乳処理量の最大化や業界を挙げた消費拡大の取組により、特段大きな問題はなかったと聞いている。処理不可能乳を出さないよう一丸となって尽力された業界関係者や協力いただいた消費者に感謝申し上げたい」と総括した。


その上で、今後も生乳需給の緩和が大きな課題として「①脱粉の在庫対策への注力②牛乳・乳製品の消費拡大③酪農関係者が自主的に可能な範囲で生産抑制に取り組む――の3点が需給改善において重要なポイント。それにより、資材費の高騰も踏まえた取引環境も整うだろう」との認識を示した。また、配合飼料など資材費の高騰等に対しては、既存の支援メニューの積極的な活用を求めた。


5月20日号記事4-図

「需給改善が最大の課題、乳価値上げには消費者理解が重要」――明治HD・川村社長

2022-05-20

5月12日に明治HDが東京・京橋の本社で開いた2022年3月期決算説明会の中で、川村和夫社長は据置きで決着した今年度の乳価交渉について言及。「飼料や肥料価格など生産資材も含めた大幅な生産コスト上昇により、生産者が非常に厳しい状況にある」ことへの理解を示した。


一方で現状は、まず緩和している生乳需給の改善が最大の課題だと強調した。川村社長は「我々乳業サイドは需要回復に努めることが大切だし、生産者側も生産抑制を行い、生乳生産量を一定程度抑制していくことも重要な取組。22年度の課題として、この部分をしっかり取り組んでいくことが不可欠だ」との認識を示すとともに、乳価の引上げには消費者の理解が重要な要素だと指摘した。


乳価について「仮に業界の思いだけを汲んで無理に引き上げてしまえば、これまで以上に需要の大幅な減退を招くことになる。現状、牛乳・乳製品の消費環境は決して強い状況ではないという現実をしっかり受け止め、しっかりと対応していく必要がある」と述べた。

「出口作りが乳業の役目、値上げによる消費減を懸念」――雪印メグミルク・佐藤社長

2022-05-20

雪印メグミルクの佐藤雅俊社長は、生乳需給が大幅に緩和している現状を受けて「酪農の生産基盤を強化するために生・処が一緒になって増産に向けて進めてきた。そのような状況の中で、突然の新型コロナの影響で需給がダブついている。北海道を中心に抑制という形で進んでいるが、私どもとしても出口をしっかり作り上げることが役目だと思っている」との姿勢を強調した。同社が5月13日に開いた2022年度決算説明会の席上、記者の質問を受けて応じたもの。


ウクライナ情勢の悪化等を背景にエネルギーコストも増大。4月より多くの食品等が値上げされる中で、大手乳業3社も一部商品については値上げに踏み切った。今後も情勢不安と先行き不透明な状況から、コスト増を踏まえた価格転嫁の必要性が生じると見込まれる一方、佐藤社長は説明会で「消費がかなり冷え込んでおり、単純に値上げをすることでさらに消費が減ることを一番懸念している」と値上げについて指摘。その上で「状況をしっかり見極め、カテゴリーごと、アイテムごとに判断して決めていきたい」との考えを示した。

「鈴木財務相を表敬訪問、資材高騰踏まえ要請」――酪政連・東北ブロック協議会

2022-05-20

酪政連・東北ブロック協議会(柴田輝男会長)は5月10日、財務省の鈴木俊一財務相(衆議・岩手2区、東北酪政会会長)を訪問。急激な資材の上昇など酪農経営の厳しい現状を踏まえ、配合飼料や輸入乾牧草など高騰している生産資材の対応等を求める要請書を鈴木財務相へ手渡した。


会合では粗飼料について、夏以降の価格高騰と品薄の懸念から飼料基盤を持たない酪農経営が危機的状況に迎えているとして、08年度の関連対策「都府県酪農緊急経営強化対策事業」など個別の酪農家に行き届く都府県対策を求める声が上がった。また、高校生等への牛乳提供へ協力を求める要望等の意見もあった。


鈴木財務相への訪問には、東北ブロック協議会のほか、酪政連の佐藤哲委員長らも同行した。

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(業務部・共済制度)
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