全酪新報/2020年12月1日号
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「酪政連、家族経営支援を要請」――親元就農、ヘルパー確保など

2020-12-01

酪政連は11月18日、都内で開いた中央委員会で2021年度畜産物価格や関連対策に関する要請事項等を協議した。畜産物価格は酪農家が意欲を持てる補給金単価の設定を求めるとともに、関連対策については中小規模・家族型酪農経営の永続に向けた親元就農支援対策の拡充等や、脱脂粉乳の過剰在庫対策、酪農ヘルパー対策などを決定し、会議終了後にブロックごと政府・国会に要請活動を展開した。-詳細は全酪新報にてご覧ください-

お断り=本記事は12月1日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「第3次補正、TPP等対策を一層強化」――大綱改訂の重点事項に

2020-12-01

自民党農林部会と農林・食料戦略調査会は11月20日、党本部で合同会議を開き、新たな経済対策(2020年度第3次補正予算)に関する重点事項案を提示し了承した。同案では、総合的なTPP等関連政策大綱の改訂をふまえたTPP等対策の一層の強化が必要として重点事項に位置付けるとともに、輸出力を支える生産基盤確保の観点から畜産クラスター事業等の継続も盛り込んだ。このほか、コロナ禍に対する経営継続補助金や需要拡大対策等も対策を講じていく方針としている。


重点事項案では、①新型コロナウイルス感染症の拡大防止策②ポストコロナに向けた経済構造の転換・好循環の実現③防災・減災、国土強靭化と災害からの復旧・復興――の3点を新たな経済対策の柱として構成。このうち②では、経営継続補助金への対策をはじめ、コロナの影響で外国人実習生の入国が依然進まない状況をふまえて対策を講じるとしている。


また、TPPや日EU・EPA等の国際協定の影響を鑑み、同日示した重点事項案では「総合的なTPP等関連政策大綱」の改訂をふまえ、TPP等対策の一層の強化を図る必要があると位置付けた。加えて、2030年の輸出額5兆円目標の実現に万全の対策を講じるとともに、輸出力を支える生産基盤確保の観点から、引き続き「産地生産基盤パワーアップ事業」や「畜産クラスター事業」、「農業農村整備事業」等のTPP対策を講じる必要があると重点事項に明記した。


TPP等の対策強化について会合では、10月23日に署名した日英EPA、11月15日に署名したRCEPの影響を十分にふまえた対策が必要との意見も上がった。

「家畜改良事業団など5団体、改良促進へ協議会を設立」――関係者一体で議論へ

2020-12-01

乳用牛改良のさらなる推進に向け、家畜改良事業団など関係5団体は11月24日、「乳用牛改良推進協議会」の設立総会をオンライン会議形式で開いた。農水省が今年3月末に策定した家畜改良増殖目標の実現や諸課題の解決へ、関係者が一体となって議論する場が必要として発足した。具体的な活動計画等については、今後設置する運営委員会の中で検討する方針としている。


構成団体は同協議会事務局の家畜改良事業団のほか、日本ホルスタイン登録協会、家畜改良センター、ジェネティクス北海道、十勝家畜人工授精所の5団体。協議会会長には日ホル協の前田勉会長を選任した。

「佐々木剛さんに内閣総理大臣賞」――第59回農林水産祭表彰式典

2020-12-01

農水省と日本農林漁業振興会は11月23日、都内で第59回農林水産祭を開催とた。過去1年間に農林水産大臣賞を受賞した465点のうち、酪農関係では静岡県富士宮市で放牧酪農を営む佐々木剛さん・千尋さん夫妻が内閣総理大臣賞(畜産部門)を受賞した。また、日本農林漁業振興会会長賞(畜産部門)には、北海道枝幸町の石田幸也さん・美由紀さん夫妻が選ばれた。


式典で主催あいさつした野上浩太郎農相は「受賞された皆様に心よりお祝い申し上げる。農林水産業は国民に食料を安定供給し、その営みを通じて国土保全などの役割を果たしている。まさに国の基だ。受賞を契機に後進の方々の模範となり、さらにご活躍を期待する」と述べた。

まきばの四季⑧「開拓者たち」――酪農家・佐藤博久(秋田県鹿角市)

2020-12-01 まきばの四季_8
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高原の秋は短くオクトーバーグローリー(アメリカカエデ)が赤く色づいた10月末(上の写真)の牧場です。空気は澄んで空は高く、気持ちがいいというのはこんな様子のことでしょう。これを書いている11月半ばには、すでに2度雪が降り、木々の葉もすっかり落ち季節は初冬になりました。冬支度を急いでいます。


去年11月、NHKのETV特集で「彼らは再び村を追われた」という放送があった。ご覧になった方もあると思うがあらすじを紹介したい。昭和初頭、国策の満蒙開拓で27万人が満州へ。長野県のとある小さな村からは村民の2割が満州に渡ったといい、その村から家族とともに当時12歳で渡満した人が回想します。


入植地は肥沃で農作物は豊かに実り暮らしは良かった。1945年敗戦、そしてソ連侵攻により命からがら満州を脱出。逃避行中、一カ月間家族とはぐれたが吉林省にて再会、その時ほど母に会えてうれしかった事は無かったと涙を流した。家族で長野に帰ったが故郷は狭く多くの帰還者の受け入れは困難だった。


国は敗戦3カ月後、緊急開拓事業を立ち上げ、満州引揚者やシベリア帰還者、失業や食料対策として全国各地に入植させた。当時多くが山奥や原野で土地は痩せ作物は育たず、開拓者家族は苦労した。


彼の家族が入植したのは福島県葛尾村だった。21歳、集落は6戸で山深く、電気・水道なしの暮らしが20年間続く。やがて1960年頃に酪農を始める。当時、やらなきゃ、食わなきゃ、生きなきゃならないと必死に働いたそうです。


ところが2011年の原発事故による全村避難で再び村から出ることに。牛は野生化防止の為に殺処分(利口な牛でかわいそうだった…)。


避難指示が解除され、荒れた古里に戻ったのは93歳の自分ひとりだけ。「やっぱし自分の住んでいたココが一番いい。ここは好きだな~」という彼の言葉が心に残る。知られざる満蒙開拓団の戦後史という内容だった。


映像は激動の時代、国策により運命が左右された開拓者数名の記録を写実的に映していた。九州から北海道までの新天地に希望を抱いて入植した21万世帯が厳しい現実と向き合った。その数だけ人生物語があったと思う。その後残った9万世帯の世代交代は進み時代は流れ、この後どんな世の中になるのだろうか。


わが家ではこの春3月に義父が95歳で静かに旅立ちました。シベリア抑留を経て山形の酒田からこの地に入植、当時原野の測量から関わったそうですが、厳しい環境に多くの仲間が夢半ばで無念の離農となった。孫やひ孫に慕われて、晩年は持病で5年ほど入院していたが、春から秋の月一回の自宅泊を楽しみにしていました。去年9月の誕生日を家族とお祝いしました(その後は自宅に戻ることはできなかった)。晴れた秋のその日、車イスで孫たちと自宅や牛舎周辺を散策していた時の感慨深げな顔が静かに思い出されます。(毎月1日号掲載)

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