全酪新報/2019年7月20日号

「酪農家戸数700戸減の15000戸、乳牛飼養頭数は4千頭増」―― 未経産増頭の取組みが奏功

2019-07-20

農水省が、このほど発表した畜産統計によると、2月1日現在の飼養戸数は1万5千戸で、廃業等により前年に比べて700戸、4.5%減。一方、全国の乳用牛飼養頭数は133万2千頭で、前年に比べ4千頭、0.3%増。そのうち、経産牛は83万9200頭で、8千頭、0.9%減だったものの、将来の生乳生産の主力となる未経産牛は、関係機関等の増頭への取り組みが奏功し、49万2400頭で1万1500頭、2.4%増と順調に推移している。

お断り=本記事は7月20日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「ツマジロクサヨトウが発生、国内初確認」――農水省、蔓延防止へ緊急対策

2019-07-20

農水省は7月9日、鹿児島県内の飼料用トウモロコシ圃場から国内で初めてツマジロクサヨトウの発生を確認したと発表した。7月17日現在、沖縄県、宮崎県、熊本県、大分県、長崎県でも発生が確認されている。深刻な被害を及ぼす害虫であるため、農水省はすでに各都道府県や関係機関・団体などに通知を発出。蔓延防止に向けた緊急対策を実施している。早期発見が重要であるため、疑わしい虫を見つけた場合は、都道府県病害虫防除所か植物防疫所まで連絡するよう呼びかけている。


農水省によると、ツマジロクサヨトウは南北アメリカ大陸の熱帯や亜熱帯原産の暖地に適応した種で、北米、南米、アフリカ、アジアに分布。極めて広食性なヤガ科の害虫で、幼虫がトウモロコシ、サトウキビ、イネ、豆類、イモ類、野菜類など様々な作物の葉、茎、花、果実に被害を与える。現在のところ、飼料用トウモロコシ圃場のほか、スイートコーン圃場でも確認されたが、他の作物では確認されていない。なお、人畜に無害で、付着した植物を食べても健康に害することはない。


農水省は蔓延防止の緊急対策として、発生状況を把握するための調査を全国で実施。発生が確認された場合は、植物防疫所が初動防除に当たる。


また、専門家から意見を聴取し、主要な作物ごとに薬剤防除に使用できる農薬の一覧を作成し、生産者へ速やかに情報を提供するほか、防疫マニュアルを策定するまでの間、追加的な防除を行う際に必要な薬剤購入費などを支援する。

「鹿児島・池田さんに農水大臣賞、意見・体験は山形・佐藤さん」――酪青女全国大会に全国から550名の酪友結集

2019-07-20

全国酪農青年女性会議(小森崇宏委員長)と全酪連(砂金甚太郎会長)は7月11~12日の2日間、鹿児島市の城山ホテル鹿児島で第48回全国酪農青年女性酪農発表大会を開催した。各地域の予選を勝ち抜いた代表者12名が発表し、経営発表の部は池田雄太さん(鹿児島県霧島市)が最優秀賞である農林水産大臣賞に、意見・体験発表の部では佐藤純子さん(山形県高畠町)が最優秀賞を受賞した。また、審査委員特別賞として、経営発表の部と意見・体験の部それぞれ1名が選ばれた。大会には、全国各地から約550名の酪友が集結した。


開会に先立ち主催者挨拶した小森委員長は、18年に頻発した自然災害や改正畜安法の施行、TPP11と日EU・EPAの発効、日米TAG交渉がスタートするなど、酪農生産現場を取り巻く様々な厳しい要因を挙げ「先行きに不安を感じている酪友も多い」と述べた一方、4月からの飲用乳価の値上げについては「酪農家と関係団体の協力の賜物。生産者の不安を全て払拭するものではないが、小さな光明ではある。これを大きな希望に変えることは、我々1人1人の手にかかっている」と語った。


続いて砂金会長は「我が国の酪農情勢は都府県を中心として戸数減少が続いているが、乳牛頭数が久々に増頭に転じ、生産基盤の回復に向け明るい兆しが見え始めた。これを確実に捉え、次代を担う後継者や新規就農希望者が希望を持って経営できる環境作りに尽力しなければならない。それによって生産基盤がより良い強固なものとなり、安全・安心な国産牛乳の安定供給にもつながる」と強調した。


次回となる第49回大会の開催地は、東北酪農青年女性会議管内の宮城県仙台市を予定している。

「政策審議会会長に髙野克己氏(東京農大学長)」――砂子田氏(酪農家・北海道広尾町)が委員に

2019-07-20

農水省は7月8日、食料・農業・農村政策審議会を開催。7月6日の役員改選後、初の会合に当たり会長を互選した結果、髙野克己氏(東京農業大学学長)が選任された。また、酪農家の砂子田円佳氏(北海道広尾町、㈱マドリン代表取締役)が委員に選ばれた。


髙野会長は「農業は非常に多様な機能、価値観を持っているが、消費者は生産現場をほとんど知らず、スーパーの店頭だけを見て生活している。農業がどれだけ重要で、何が問題なのかを理解していないことは問題だ」と述べた上で「審議会が提言する内容が、日本における農業の未来像を作ることになると思う。様々な意見を拝聴しながらまとめていきたい」と就任の抱負を述べた。


同審議会は、概ね5年ごとに見直される食料・農業・農村基本計画をはじめ、食料・農業・農村白書を取りまとめる。それらを議論するための企画部会のほか、加工原料乳生産者補給金・集送乳調整金、関連対策、酪肉近代化基本方針、家畜改良増殖目標決める畜産部会、特定家畜伝染病防疫指針などを議論する家畜衛生部会、農業共済制度に係る共済掛け金標準率を議論する農業保険部会など9つの部会が設置される。

「肉用牛農家戸数は2千戸減少」――飼養頭数も前年下回る

2019-07-20

農水省が公表した2019年2月1日現在の畜産統計によると、肉用牛の飼養戸数は4万6300戸で、酪農家戸数と同様、廃業などにより前年に比べ2千戸、4.1%減少。一方、飼養頭数は250万3千頭で前年に比べ1万1千頭、0.4%減少した。


戸数を都道府県別に見ると、鹿児島県が7660戸で最も多く、以下、宮崎県5810戸、岩手県4360戸、宮城県3150戸、北海道2560戸と続く。


品種別では、肉用種は173万4千頭で3万3千頭、1.9%増加。そのうち、子取り用雌牛は62万5900頭で1万5500頭、2.5%増加した。一方、乳用種は76万8600頭で4万4400頭、5.5%減だった。

連絡先・MAP

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所在地 〒151-0053
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(業務部・共済制度)
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