全酪新報/2019年5月1日号

「北海道と都府県の協調が大きな課題、過度な移出依存はリスク」――北海道大学大学院・清水池義治講師

2019-05-01

大きな転換期を迎えている日本酪農が今後とも消費者に生乳を安定供給するには、生産が拡大している北海道酪農だけではなく、都府県酪農がしっかりと維持されることが重要である。生乳の流通問題に詳しい北海道大学大学院農学研究院・清水池義治講師に①災害時のリスク②物流面からの持続可能性③乳製品生産の不安定化――などの課題を通じ、北海道と都府県との協調による中長期的な利益を共有する必要性を論じて頂いた。

お断り=本記事は5月1日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「乳価値上げ後の4月第1週は牛乳小売価格平均4.5円上昇」―― Jミルク前田専務が説明

2019-05-01

Jミルクの前田浩史専務は、4月16日に九州牛乳協会が開いた通常総会の来賓挨拶の中で、4月からの飲用向け乳価値上げに伴う牛乳の小売価格の動向について言及。「4月第1週の全国の平均的な成分無調整牛乳の値上げは4.5円だった。一方、同期の売上本数は前年比97.6%で、3月の最終週は99.7%だった」と説明した上で「売上の減少は小売価格の上昇の影響と見ることはできない。4月の第1週は値上げの影響を緩和するための特売や値上げが実行されていない小売店もある。状況をしっかりと見定めることが必要だ」と述べた。


また、前田専務は「酪農乳業の大きな課題は持続可能性の問題。価値観や取引の多様性が強まっていく中で自らを上手に復元させ、回復させるかがポイントになる。今年度は食料・農業・農村基本計画と酪肉近(酪農及び肉用牛生産の近代化を図るための基本方針)見直しの年に当たる。企業は何をやり、業界は何をやり、政府に対して何を求めていくのか。Jミルクでは、こうした議論を進めている。九州の酪農乳業関係者にも理事や委員としてご参加いただいている。そういった方々を通して本日ご出席の皆様方のご意見をお寄せいただきたい」と呼びかけた。

「2018年度、全国ベースの乳量は微減」――北海道、中国、九州は増産達成

2019-05-01

中央酪農会議は4月15日、2019年3月分の用途別販売実績によると、2018年度の全国ベースの販売乳量は696万3306㌧で、前年度比0.2%減。北海道と中国、九州は増産を達成した。


北海道は383万2388㌧で0.9%増。地震の影響で9月は5%ほど減少したが、前年度を上回った。


一方、都府県は年度を通じて減少。中国(1.5%増)と九州(0.4%増)の2地域は前年度を上回った。

「九州、2018年度の生乳生産100%超」――九州販連の隈部会長「酪農家が頑張った結果」

2019-05-01

九州生乳販連の隈部洋会長は4月16日、沖縄県内で開かれた九州牛乳協会の通常総会に出席。「2019年度の生乳生産計画では、乳業メーカーの要望に対して1万㌧足りない。嬉しいことではあるが、乳量をしっかりと安定的に供給することが私どもの使命だ。一方、2018年度の生乳生産は前年度比で100%を超えた。酪農家がしっかり頑張った結果だ」と述べた。


その上で改正畜安法について触れ「様々な問題が出ているが、自由に販売することで需給バランスが崩れないよう、注視していく必要がある」と指摘。さらに、「20年10月31日から全共が開催される。これは乳価値上げもあり、国産牛乳と牛乳の適正価格について消費者への理解醸成の場でもある」とし、乳業関係者に協力を求めた。

「初妊牛価格やや弱含み、4月は市場軟調」――夏分娩も要因・全酪連産地情報

2019-05-01

全酪連札幌支所が取りまとめた5月1日現在の乳牛産地情報によると、初妊牛価格は88~98万円でやや弱含み。4月に道内各地で開催された乳牛市場がやや軟調に推移したことと、夏分娩中心になるため。しかし、中クラス以上は堅調な相場を維持し、個体による格差が出てきている。資源状況としては、雌雄選別腹がF1腹よりも多い傾向にある。


また、育成牛(10~12月令)は50~60万円で横這い、経産牛は58~68万円でやや弱含みと見ている。

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