全酪新報/2019年2月1日号

「農水省 バター需要増、輸入数量2万㌧に枠拡大」――生乳11万㌧不足、国産では満たせず

2019-02-01

農水省は1月30日、2019年度のバター・脱脂粉乳の輸入枠数量を決定。運用ルールに従って試算した結果、バターは業務用の需要増加を受け、今年度比7千㌧増の2万㌧、脱脂粉乳は一定の在庫を確保していることから、同7千㌧減の2万㌧とした。Jミルクの見通しによると、19年度の生乳生産は4年ぶりに増産に転じ、バター、脱脂粉乳の国内生産量も増加する。しかし、単年度では国産生乳で需要を満たせず、満たすためには約11万㌧の生乳が不足すると見込んでいる。

お断り=本記事は2月1日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「新制度の公正な運用重要」――農水省の富田畜産部長が全国の担当者に協力求める

2019-02-01

農水省が1月23日に省内講堂で開いた全国畜産課長会議の冒頭、富田育稔畜産部長は今年4月で施行から丸1年を迎える新補給金制度について「まずは円滑なスタートが切れたと考えているが、この制度が定着し、今後とも公正に運用されることが非常に重要だ」として、制度運用へ引き続き関係各位の協力を求めた。同会議では、畜産部の各課がそれぞれ所管とする19年度当初予算及び18年度補正予算、昨年末に決定した関連対策の事業メニュー等について説明。各都道府県の畜産・酪農担当者など約150名が出席した。


富田部長は挨拶の中で、昨年12月30日に発効したTPP11、今年2月1日に発効見込みの日EU・EPA協定について触れ、「畜産・酪農をめぐる国際環境は新たな段階に入ったということをしっかり認識すべきだ」と述べ、農水省としても総合的なTPP等関連政策大綱に基づいて適切な国内対策を講じていく姿勢を強調。その上で、国内の酪農情勢に関して「特に都府県の基盤強化が引き続き喫緊の課題だ。性判別精液の活用による優良な後継牛生産などにしっかり取り組んでいきたい」との考えを示した。

「2019年度事業、楽酪と楽酪GO継続実施」――内容一部変更、労働負担軽減を推進

2019-02-01

昨年末に決定した19年度当初予算では、労働負担軽減・省力化に繋がる機械装置の導入等を支援する「畜産経営体生産性向上対策」(旧楽酪事業)に30億円を計上。生産性向上も目標に加えた上で、短期集中から長期計画の事業へと組み替えた。来年度関連対策で措置した省力化機械の導入と一体的な施設整備を支援する楽酪GO事業(ALIC事業、酪農労働省力化推進施設等緊急整備対策事業)と合わせ、周年拘束性が強く労働時間が長い酪農家の労働負担軽減に向け、引き続き各種メニューで支援する。


今年度まで実施している楽酪事業は、基本的なメニューを踏襲した上で肉用牛農家も対象に追加。畜産経営体生産性向上対策(畜産ICT事業)と現行事業を組み替え、来年度より新たに措置された持続的生産強化対策事業(201億円)の中に組み込んだ。


畜産農家の省力化・生産性向上への支援として、同事業では今年度に引き続き搾乳ロボットや発情発見装置、エサ寄せロボットなどの導入を支援(補助率2分の1以内、1戸当たり3千万円上限)。加えて、19年度は新たに▽国内へ導入事例のない機械の調査や効果測定▽乳頭交差など機械装置に不適合な家畜に関する調査――等を支援する。楽酪GO事業と同様、労働時間1割削減を要件とするのは変わらない。


また、19年度より全国データベースの構築を支援するメニューも追加。畜産生産能力・体制強化推進事業(18年度当初)、畜産・酪農生産力強化対策事業(17年度補正)の一部メニューを統合したもの。疾病履歴情報等の生産関連情報の一元集約化、当該データに基づく指導体制を整備することで、関係団体や民間企業の保有する情報の共有化を進め、家畜改良や飼養管理の効率化・高度化を後押しする。


楽酪GO、一体的な施設整備引続き支援


19年度の楽酪GO事業は、今年度より5億円増額の55億円を措置。今年度に引き続き、フリーストール・搾乳ロボット体系への転換をはじめ、バーンスクレーパー、レール式ほ乳ロボット等を対象とする。補改修が必要な省力化機器装置の導入と一体的な施設整備を支援する。


合わせて、複数戸の酪農家が協業して管理するモデル的な集合搾乳施設の整備に対しても継続支援。今年度の楽酪事業で行っている預託施設の機器整備等を支援するメニューは、19年度より同事業の中で実施する。

「種子品種表示の基準制定、公的機関発行証明書に統一」――3月から開始

2019-02-01

日本草地畜産種子協会(野口政志会長)は、飼料作物種子品種の表示適正化を図るため、飼料作物種子品種表示運用基準と規程を制定し、3月1日から運用を開始する。品種名表示は公的機関が発行する品種証明書の品種に統一することが原則となる。


18年2月に一部企業の種苗法違反表示について、農林水産大臣が種苗法に基づく報告命令を発出したことを受け、流通の適正化を図り、需要者(畜産農家)保護を目的に、公的機関の品種証明書が発行されないものの取り扱いについて協議。業界団体として適正な品種表示を行うための規定を制定した。


具体的には、今回の運用規定により大きく表示が変わるのが従来の普通種の取り扱い。普通種は①公的機関等が発行した証明書に記載された品種名を表示②運用基準第6で登録された品種名を表示③その他、①や②の要件を満たさない種子などは、指定種苗でない緑肥用としての販売は可能――としている。


同協会は11月30日の理事会で規程の制定を承認。同日より品種名の登録申請の受け付けを始めている。


また、1月10日には都内で飼料作物種子の流通適正化と運用規定等の理解醸成を目的に説明会を開催。関係者約20名が出席した。


説明会で同協会の布野秀隆種子部長は「これまでの慣習から考え方が変わるため、いかに周知徹底を図っていくかが課題だ」と一層の表示適正化への理解を求めたいと述べた。


質疑応答では、登録手続きに関する質問が多く挙がった。布野部長は「登録するための審査機関である飼料作物品種表示委員会は年2回程度の開催となり、審査に時間がかかる。そのため、登録申請があった場合、仮登録する。仮登録の期間中も表示が可能となるが、審査の結果、仮登録は取り消されることもある。あらかじめ理解のうえ申請してほしい」と出席者に対応を求めた。

「初妊牛価格、再び強含み」――乳価上げで生産意欲高まる・全酪連札幌支所

2019-02-01

全酪連札幌支所によると、2月1日現在の初妊牛価格は90~100万円で強含み。春産み需要の高さに加えて1月の乳牛市場相場が強含みで推移していることから、価格は昨年2月と同様に、再び3桁台の高値を記録した。メガ・ギガファームの安定した導入意欲に加え、19年度からの乳価値上げなどを背景に、道内の酪農家の生産意欲も高まることが予想されるため、引き続き初妊牛価格は堅調に推移する見込み。同支所は早めの注文をよびかけている。


また、育成牛(10~12月齢)は47~57万円、経産牛は55~65万円で、ともに横這いでの推移が予想される(各管内の動向は2面に掲載)。

「韓国で10カ月ぶり口蹄疫」――旧正月前に防疫徹底要請

2019-02-01

2月5日の旧正月を目前に控える中、農水省は1月30日、韓国での口蹄疫発生を受け、消費・安全局動物衛生課長名で発生予防対策と万が一の発生時における蔓延防止対策に万全を期すよう、都道府県畜産主務部長宛に通知を発出した。韓国での口蹄疫発生は昨年3月以来、約10カ月ぶり。


通知では、「旧正月にあたり、韓国からの旅行客が増加することが見込まれるため、日本への口蹄疫の侵入リスクが高まっている」と注意を促している。

「渋谷からチーズ文化発信」――東京産生乳使用、出来たてを販売

2019-02-01

「チーズをより身近な食材に」――。そんな願いを込め、東京・渋谷区でチーズ文化を発信するチーズショップ兼レストランの「SHIBUYA CHEESE STAND」と2号店の「& CHEESE STAND」(藤川真至代表取締役)。両店舗では、東京都酪農協所属の酪農家が生産した生乳を使用し、出来立てのモッツァレラなど東京産フレッシュチーズにこだわっている。週6日・1日当たり350㌔の生乳を供給する東京都酪農協は、様々な取り組みで東京酪農をPRしている。

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(業務部・共済制度)
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(指導部・全酪新報編集部)
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