全酪新報/2018年9月10日号

「北海道地震、停電で酪農被害甚大」――搾乳、冷却、集乳に支障

2018-09-10

9月6日午前3時7分、北海道・胆振地方東部を震源とする最大震度7、マグニチュード6.7の大地震が発生した。大規模な土砂崩れ、家屋の倒壊をはじめ、道内全域で停電状態が続き、交通はマヒした。酪農乳業関連では、停電の影響を大きく受け、搾乳や生乳の冷却、集乳に支障が生じたほか、乳業工場は稼働を停止するなど甚大な被害が出ている。9月9日現在、道内ほぼ全域で通電しているが、依然として被害の全容は分かっていない。

お断り=本記事は9月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「台風・北海道の地震で道外移出減少」 ― 都府県の生乳需給に懸念

2018-09-10

北海道の生乳生産が好調に推移する一方、都府県の生乳生産は減少し、道外移出で飲用需給の安定を図ってきたが、近畿地方を中心に大きな被害をもたらした台風21号は、北海道から都府県への生乳流通にも大きな影響を与えた。そうした中、北海道で地震による甚大な被害が発生した。今後の都府県の生乳需給ひっ迫が懸念されている。


9月7日の会見で齋藤健農相は「地震発生前の9月4日は太平洋と日本海の2ルート、5日は太平洋ルートで、都府県に生乳を輸送する船舶が欠航したため、都府県で牛乳を製造するための貯蔵力が減少した。また、昨日の地震による停電で生乳生産と流通に影響が出ている」とした上で、「停電がどれだけ解消されるかが問題。現時点でどうなるのか分からないが、生乳需給への影響が最小限となるよう、関係団体、事業者と一体となって取り組んでいる」と述べた。

「日米新通商協議でTPP以上は譲らない」 ― 茂木担当相が姿勢示す

2018-09-10

自民党TPP・日EU等経済協定対策本部は8月30日、日米間の新通商協議として政府が進めている「自由で公正かつ相互的な貿易取引のための協議」(FFR)の第1回協議の結果等について政府側から報告を受けた。会合にはFFRを担当する茂木敏充経済再生担当相が出席し、同協議の結果概要を自ら説明した。


同相は、市場開放が懸念されている農産物に対し「(TPPでは)『1ミリも譲れない』というギリギリの判断をしていただいた。今回の協議でもその点はしっかり強調した」として、TPP以上の妥結は行わないとする姿勢を改めて示した。第2回協議は近く、今月末の国連総会前にも開かれる見通し。


冒頭、森山裕本部長は「来月をメドに次回会合が開催されるということで、政府与党が一体となって対応していく必要がある。一方、関係団体には不安の声があることも事実。茂木担当相にはしっかり交渉していただけると思うが、その点も承知いただいて交渉に臨んでほしい」と述べた。


FFRの第1回協議は8月9~10日の2日間、米国・ワシントンDCで開催。会合の概要について茂木担当相は「これまでの日米の貿易や投資に関する関心やお互いの意見などを率直に交換し、双方で基本的な考え方、共通認識について理解を深めることができた。それぞれの立場に違いはあるが、その相違を埋めて日米の貿易を促進するための方策を追求すること、日米の共通認識に基づき協力分野を拡大していくことで一致した」と説明した。


その上で、影響が懸念される農産物については「TPPで合意した内容は絶対に譲れないところは譲らない、1ミリも譲れないとして、(当時の甘利明担当相に)ギリギリの判断をしていただいたもの。それ以上はできないとこれまでも明確に申し上げてきたし、今回の協議でもその点はしっかり強調した」と話した。


補足説明した内閣官房TPP等政府対策本部の澁谷和久政策調整統括官は、次回会合の開催時期について「9月の国連総会がある最後の週に日米首脳会談を調整する動きがあり、それが行われるのでれば、その前にFFRの第2回会合をセットする方向で調整中」としている。

「酪政連が11月に都内で総決起大会」 ― 家族経営の維持発展訴える

2018-09-10

酪政連(大槻和夫委員長)は、11月14日に都内で「家族型酪農経営の維持発展を期す全国酪農民総決起大会(仮称)」を開催する方向で調整を進めている。大会名や趣旨、内容といった詳細については、10月10日に開く中央委員会で協議して正式に決める。


現段階では、東京・永田町の自民党本部8階の大ホールで13時から総決起大会を開催した後、1時間程度のデモ行進を予定している。


総決起大会・デモ行進は3年ぶり。前回は2015年7月に開催し、約1千名が参集した。

「NAFTA、米・加は乳製品めぐり難航」 ― 3カ国間合意は依然不透明

2018-09-10

8月30日に自民党が開いた会合では、内閣官房TPP等政府対策本部の澁谷和久政策調整統括官が米国において現在協議を進めている貿易交渉の状況を説明。このうち、米国・カナダ・メキシコ間で協議しているNAFTA(北米自由貿易協定)の動向について「今週の月曜日(8月27日)にメキシコと米国との間で初歩的な大筋合意がなされた。中身をよく読むと、ほぼTPPと同じルールのようだが、自動車については域内調達率を62.5%から75%へ引き上げとかなり厳しい内容だ」と話した。


現地報道によると、カナダとの協議では主に乳製品に関する市場開放をめぐり議論が難航しているとのことで、NAFTA本来の形である3カ国での合意実現は依然として不透明感を増している。

「組合長に聞く・生乳生産5%増目指す」 ― おかやま酪農協の岡田穂積組合長

2018-09-10

今年6月におかやま酪農協(岡山県津山市)の組合長に就任した岡田穂積組合長(71歳)に、当面する課題と抱負などを聞いた。組合の2017年度の生乳生産量は8万8516トンで、2016年度実績と比べると1.8%減少した。そのことを踏まえ、今年度から始まる第6次3カ年計画では、中期生乳需給安定化対策を実施し、酪農家が増産に意欲的に取り組める環境を整えた。2018年度計画では9万3000トン、前年度比で5.0%の増産を見込んでいる。


家族経営への支援強化・乳質改善の意識が必要―当面する課題は


酪農家戸数は高齢化などにより減少しているが、将来を担っていく若者もいる。そういう人たちが安心して営農していける環境を整えていかなければいけないと思っている。酪農家が抱える問題は個々に違うが、共通する課題は乳代だけで再生産可能な乳価を獲得することだ。


副産物に頼らなくても経営に余裕が持てる乳価であれば、投資意欲も湧き経営も活気づいてくる。それが酪農本来の姿だ。そのための乳価を中国生乳販連と連携しながら求めていく。


もう一つの喫緊の課題は乳質向上だ。中国地域で乳質を一本化する方針が示されており、以前から乳質改善のために出荷前検査の奨励や職員がラクトコーダーで巡回検査を実施している。


しかし、検査を受け入れるのは乳質改善に前向きな酪農家ばかりだ。改善意欲を持った農家は検査も自主的に実施するし、研修会にも参加する。だから乳質はさらに良くなるという二極化がどんどん進んでいる。ただ搾っていればいい時代は終わり、品質が全てだということを認識してもらう必要がある。


第6次3カ年計画のねらいは


この計画には生産支援策などを盛り込んでいるが、最終的なねらいは生産基盤の維持強化ということに尽きる。特に力を入れて取り組む必要があるのは、乳価引き上げと飼料価格の引下げ、後継牛確保の3つだ。


今は目先の利益に走りF1出荷に目が向いてしまいがちだが、「今さえ良ければいい」では経営の安定化は望めない。先のことを考え、いかに後継牛を増やし、乳量を伸ばしていくかが必要なことだ。そのための支援事業も充実させている。それらを活用して後継牛の確保、増頭に取り組んでほしい。


将来展望と抱負を


現在、組合の酪農家戸数は222戸となった。新規就農希望者もいるが、初期投資の壁が高くて話が進まないのが現状だ。後継者以外に就農は難しいのであれば、この先も間違いなく減少していく。そうした背景から、組合事業を見直していく必要がある。一方で、家族経営に対する支援は維持強化していく。例えば飼料価格はスケールメリットを活かしながら、安価に供給して農家を支えていく。また、常日頃から言っていることだが、酪農家あっての組合だ。組合長として家族経営が一日でも長く酪農を続けられるよう、全力を尽くして支援していく覚悟だ。


プロフィール


1946年9月12日生まれ。岡山市内でホルスタイン65頭を飼養(成牛45頭、育成20頭)。


広島県福山市出身で、学生時代は陸上競技に打ち込み、高校を卒業するとその実力が認められ、実業団の陸上部があるスズキ自動車から誘いを受けて就職。68年のメキシコオリンピック出場を目指して国立競技場で開催された最終選考会に出場したが、そこで夢破れ仕事に舵を切る。その後、岡山県内で勤務していた時に奥さんと出会い、72年の結婚を機に就農。非農家出身だが、家族と地域の酪農家仲間に支えられ切磋琢磨しながら技術を学んだ。


現在は長男夫婦が営農。約7haの飼料畑を活用し、コスト削減に取り組んでいる。飼養管理面では夏場は非常に暑い瀬戸内の気候に対応できる牛作りを目指し、後継牛は自家生産、自家育成する経営方針だ。

アクティブパルス紹介
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