全酪新報/2018年7月10日号

「母牛の胃液移植で丈夫な体に、簡単でコストほぼゼロ」――宮崎で複数の牧場が実践、食込みに効果、損耗防止対策にも

2018-07-10

母牛の胃液移植で草をしっかり食べて病気にならない強い子牛に――。宮崎県・新富町の㈱本部農場(経営主=本部博久さん)では、子牛の損耗防止対策として、地域のNOSAI獣医師から紹介された母牛の胃液を子牛へ経口給与する方法を実践している。同手技は胃液中の原虫の作用により子牛の粗飼料の分解能の上昇や免疫力向上等に高い効果を示すもので、丈夫な後継牛の確保にも繋がる。哺乳を担当する妻の芳恵さんによると「全然違う牛ができる。毛艶から違って特にホルスタインでは白黒がすごくはっきりするし、お腹周りも張るようになる」とその有用性は高い。

お断り=本記事は7月10日号をベースにしておりますが、日々情勢が急変しており、本ホームページでは、通常の態勢を変えて本紙記事にその後の情報も加えた形で状況を掲載するなど、一部記事の重複などが生じることもあります。ご了承ください。

「酪農会館の建設、計画通り進行」――酪農未来塾、今年度は9月に開催・全国酪農協会

2018-07-10

全国酪農協会(馬瀬口弘志会長)は6月26日、都内で2018年度通常総会を開き、2017年度事業報告・収支決算、18年度事業計画や収支予算などを原案通り承認。新しい酪農会館の建設工事は、本年12月末の竣工を目指して計画通り進んでいることが報告された。今年度の酪農未来塾は9月に開催する。


総会には来賓として農水省の松本平牛乳乳製品課長、全酪連の砂金甚太郎会長らが出席。松本課長は挨拶の中で生乳生産実績に触れ「都府県における生産減少に歯止めがきかない状況だ。課題の抽出や対策を進め、生産基盤強化などに取り組む」と強調した。


また、砂金会長は「現在、新しい酪農会館建設が順調に進んでいる。来年2月には全酪連も移転する。これを機に全酪協との連携をこれまで以上に深め酪農を取り巻く困難な課題に取り組む」との姿勢を示した。


2017年度の指導事業については、酪政連と一体となった農政運動を展開したほか、酪農後継者の交流と地域を担うリーダー育成を目的とした第6回酪農未来塾を開催。初めて会員酪農協の職員を対象にした。


2018年度事業計画では、引き続き酪農共済事業、全酪新報等の発行を通じた情報提供事業、視察研修事業を推進する。農政活動では、家族経営の酪農家が持続可能となるような生産基盤対策、後継牛確保対策、経営安定対策などを関係団体との連携のもと要請活動を行う。また、第7回酪農未来塾は神奈川県三浦市で9月に開催予定。

「中酪が後継牛確保の対応方針を確認」――担当者100名集め推進会議

2018-07-10

中央酪農会議は6月29日、都内で「18年度乳用後継牛緊急確保事業に係る推進会議」を開催。生産基盤強化に向け、現状と課題、対応方針の確認を行うことを目的に開いたもので、18年度乳用後継牛緊急確保事業について説明した。冒頭、迫田潔専務は主催者挨拶の中で、この先夏に入って気温が上昇し、暑さが厳しくなっていくことから「夏場の需要期に向け暑熱対策・飼養管理の徹底を行い、生乳供給の安定化をすることが大事だ」と夏場に向けた対策の重要性を語った。会議には指定団体の担当者など約100名が出席した。


また、迫田専務はこのほど公表された酪農全国基礎調査の結果から「畜産クラスター事業によって100頭以上規模の酪農家の数が非常に伸びている一方、40頭数未満の方々が実際は7割を占めている。その7割の方々が生乳生産量の3分の1を担っているということをしっかり頭に入れておかなければならない」と実態を報告した。


一方、来賓の農水省牛乳乳製品課の請川(うけがわ)真也課長補佐は都府県酪農の生産量減少について触れ、「牛乳・乳製品の安定供給を図るためにも、生乳基盤強化による供給力の回復が重要だ」と考えを示した。


さらに、「現場からは『無理して搾らなくても良い』『畜産クラスターを活用した人が増産すればいい』といった雰囲気があるようだが、需給ギャップをこのまま放置すれば工場の稼働率は低下し、都府県において生乳処理能力の維持が困難になり、酪農乳業全体の縮小につながりかねない」と懸念を示した。

「性判別精液が右肩上がり、1~3月期14%超に」――F1交配率はわずかに上昇

2018-07-10

日本家畜人工授精師協会と乳用牛群検定全国協議会は6月27日、18年1~3月期の乳用牛への黒毛和種の交配状況(F1交配率)を取りまとめた。それによると、全国の平均交配率は33.3%で前期(17年10~12月期)に比べ0.8ポイント上昇。前年同期比では、0.2ポイント上昇した。また、性判別精液の割合は14.3%で前期比0.7ポイント上昇。右肩上がりで推移し、前年同期と比べると、2.8ポイントも上昇している。


地域別のF1交配率では、北海道は21.3%で0.7ポイント、都府県は47.7%で1.1ポイントそれぞれ上昇した。

「乳製品使ったラーメン商品化」――関東販連、牛乳月間の特別企画

2018-07-10

関東生乳販連が提供しているTBSラジオ「石川實 DAIRY LIFE」の牛乳月間特別企画として、昨年度の牛乳料理コンクール関東大会で最優秀賞を受賞したラーメンを、人気ラーメン店「ドゥエ イタリアン」のオーナーシェフ・石塚和生さんがアレンジ。6月18日より吉祥寺店で期間・数量限定で販売している。


昨年11月に関東生乳販連が主催した牛乳料理コンクール関東大会では、山梨学院短大食物栄養科の鶴味佑佳子さん、河手怜奈さん、藏部友希さんの3名が考案した牛乳を使用したラーメン「セロリ香る贅沢!濃厚ミルクらぁめん」が最優秀賞を受賞。そのラーメンを商品化するため、協力してくれるラーメン店を探していたところ、石塚シェフが快く引き受けて実現した。


石塚シェフは作品のレシピをもとに、「ドゥエ イタリアン」の市ヶ谷店と三軒茶屋店で従来から販売している人気メニューの「冷製 白いらぁ麺」をリニューアルした形で完成。考案した3名の学生の名前から1文字ずつ取った「佑希奈のホワイトらぁ麺~山梨からの贈り物~」の商品名で、6月16日にオープンしたばかりの吉祥寺店で販売中。当初は6月18日~30日までの予定だったが、好評につき8月31日まで延長している。加藤木正樹総料理長は「ラジオを聞いたお客さんが開店前から並んでいたことがあるなど、少なからずラジオ番組の影響がある」と話している。


スープは鶏ベースで、生クリームなどと合わせた冷製のタイプ。トッピングは生ハム、小松菜、ネギの3種類で、鶏油も加える。まろやかでコクがあり、食べごたえがあるが、さっぱりとした絶妙な味わい。生ハムの塩気がおいしさを引き立て、冷たいスープがこれからの暑い季節にぴったりと合う。


「ドゥエ イタリアン」吉祥寺店は、JR吉祥寺駅から徒歩5分ほどの距離にある。「佑希奈のホワイトらぁ麺~山梨からの贈り物~」は1食980円(税込)で、1日30食限定で販売している。

連絡先・MAP

一般社団法人 全国酪農協会
所在地 〒151-0053
東京都渋谷区代々木1-37-2
酪農会館5階
電話番号 代表(総務部):03-3370-5341
(業務部・共済制度)
     :03-3370-5488
(指導部・全酪新報編集部)
     :03-3370-7213
FAX番号 03-3370-3892
アクセス JR・都営大江戸線ともに
「代々木駅」から徒歩1分
全酪アカデミー 酪農ヘルパー全国協会 日本ホルスタイン登録協会 GEAオリオンファームテクノロジーズ株式会社 株式会社ピュアライン 株式会社セイワ あいおいニッセイ同和損害保険株式会社 東京海上日動火災保険株式会社 海外農業研修生募集 相互印刷株式会社 西桜印刷株式会社 警察庁防犯教室

購読お申込み


このサイトに掲載されている記事・写真・図表などの無断転載を禁じます。
Copyright © The Dairy Farmers Association Of Japan. All right reserved.