乳滴/2020年1月1日号
牛乳消費に未来願う
近年、牛乳の消費が微増ないし、ほぼ横ばいで推移しているのは、喜ばしいことだ。人口(そもそも胃袋の数)が毎年減り続けている訳で、国内の食品・飲料関係者の悩みは尽きない。他飲料との激しい競合もある。その中にあってだから健闘しているといってよい。
統計では、牛乳と加工乳・成分調整牛乳を合わせた、いわゆる「飲用牛乳等」の生産量は、1994~96年には500万㌔㍑を突破していた。しかし、その後は各種の消費拡大運動によっても減少に歯止めをかけることができず長期低落。ようやく2015年度に0.3%増、346万4千㌔㍑で底打ちした。
2018年度の飲用牛乳等の生産量は356万3千㌔㍑。これは2015年度に比べ2.9%増、牛乳が89%を占める。加工乳・成分調整牛乳が減少しているのに対して牛乳は同期間に4.6%伸びている。
日本の人口は総務省によると、2018年が1憶2644万人で前年に比べて26万3千人減少。2015年との比較では65万2千人の減少だ。
競合する清涼飲料水の2018年の総生産量は2275万㌔㍑。このうち茶系飲料は約640万㍑。攻められて数量を落としたが、牛乳は高齢化の進行がチャンスという乳業者もいる。胃袋競争に負けない良い年になるよう祈念したい。