乳滴/2019年9月20日号
復旧対応、国は検証を
地震が引き金となった北海道ブラックアウトから1年。酪農専門紙がその後の対応等をまとめた連載を読んだのが9月の1週目。「たいへんな災害だった…」と思い出しながら明けた翌週。台風15号による送電網の被害で千葉県を中心とした地域で広域的に停電が発生。
被害は大きく復旧見通しも厳しい。丸々一週間明けた17日朝の報道でも依然として6万6千軒が停電しており、全て通電するのにあと一週間以上かかるとの見通しを伝えていた。断水もあり酪農家・乳業会社の損害は大きいが、1業界のみに留まらず被災地域社会・経済に深刻なツメ跡を残した。日頃便利に使っているケータイ各社も繋がりにくくなり、このことも復旧の妨げになったようだ。停電・断水のなか毎日の暮らしを維持するのは並大抵ではない。
3・11、北海道ブラックアウト等の経験から発電機の導入が進み搾乳は可能でも、長期間の停電は異常事態であり、牧場では対応しきれない。集乳車がいつ来るのか確かな情報がない中で、精神的にも厳しい。
近年自然災害がとても多い。地震や台風は避けられないが問題はその後だ。エネルギー、物流、通信網等の早期復旧の取り組みに改善の余地があるはずだ。国はしっかり検証し今後につなげてほしい。