乳滴/2019年1月1日号
命を守る牛乳乳製品
瑞穂の国、日本。長い歴史や文化と密接な関係を持ってきた米(コメ)と比較すると、戦後の経済成長とともに食卓に定着したわが国の牛乳乳製品の歴史は短い。しかし、牛乳乳製品が米と並ぶ日本人の基礎食糧となり、現在、輸入を含む総需要量は米を上回っている。
2017年の主食用米をみると、生産量は782万㌧、貿易交渉の結果のMA米(輸入機会の提供=輸入義務)77万㌧が加わる。一方、2017年度の牛乳乳製品は国内の生乳生産量が729万㌧、輸入乳製品が生乳換算で500万㌧相当(飼料用も含む)。国内の牛乳乳製品の需要量は約1230万㌧。生乳換算で、しかも単純な比較はできないにしても、牛乳乳製品が食生活に、欠かせない食糧なのが改めて分かる。残念なのは輸入乳製品の増加。チーズ348万㌧、アイスクリーム等65万㌧の2つで8割以上を占める。
牛乳乳製品の自給率(カロリーベース)は、2010年度に70%を下回って以降、減少傾向が続き2017年度は前年度より2ポイントも下がり60%まで低下した。2014年度以降、CA(同、13万7千㌧)以上の追加輸入が継続。2018年度もバターや脱粉等をCA枠含め生乳換算で33万㌧余りの輸入を想定している。
いずれにしても2017年度の食料自給率は37%であり、国内生産の維持は命に係わる課題だ。