乳滴/2018年11月10日号
乳価値上げに強い期待
「来年度の生産者乳価を大幅に引き上げてほしい」と酪農家は強い期待を持って交渉結果を待っている。各指定団体の交渉を後押ししようと11月14日には、酪政連主催の「家族型酪農危機突破!全国酪農民総決起大会」が開催される。会場には値上げを求める酪農家の声が充満するだろう。
各指定団体と乳業者との交渉は、生産コスト、乳業者の経営状況、量販店の情勢など、具体的な数字を基に例年厳しい交渉になる。その一方で、以前から予想されていた不安が現実になりつつある。
それは、将来に向けて日本の生乳を安定供給している酪農家・関係組織が中・長期にわたり持続していけるのかということだ。現状(今年度)にとらわれすぎては、禍根を残す。今、必要なのは、酪農家や後継者に将来も酪農を続けようとの意欲と希望を示す時だ。
中酪の調査では、都府県の経営主の年齢別戸数は、60~69歳が約3千戸、42%を占め最も多く、この10年間で10歳程度上昇した。この世代が経営しているうちに、一人でも多くの親元就農者や第三者への継承などを進めなければ、特に都府県では酪農家の大幅な減少は避けられない。
従来の交渉とは、発想を変えた将来につながる交渉結果を示せるかどうか。重要な交渉だ。