乳滴/2018年11月1日号
食育崩壊世代に対して
10年前と比べて偏食の児童が増えていることや小学校の給食現場で「給食残し」が問題となっている。現役の小学校教員300名を対象に、生活者の意識・実態を調査しているトレンド総研(東京都・渋谷区)がインターネットで調査した結果だ。
それによると、学校給食において、食べ残しが多い献立・食材の第1位は「野菜のメニュー」(85%)が断トツ。次いで「魚のメニュー」(46%)、「海藻のメニュー」(36%)と続く。野菜嫌いが圧倒的で、「牛乳」(19%)、「ごはん・パン・麺」(17%)を上回っている。
「乳製品(牛乳は除く)」(9%)や「肉のメニュー」(6%)が嫌いな児童は少ない。
野菜嫌いなど偏食の児童への対応については、教員も頑張って残さず食べさせるようにしているという回答が7割近くある。努力している一方で「近年は、家庭での食育が不足していると思う」が9割以上も占めている。
このほか、調査では野菜嫌いの克服に向けた「ベジトレ」について専門家の話を伺っているが、その中で気になるのは、現代の父母世代は、共働き率も高く、時間的にも余裕がないことから「食育崩壊世代」と指摘していること。「食べてもいないものを嫌がる」子供が多いとなれば、食育は必要だ。