乳滴/2018年9月20日号

身を切られる゛痛み゛

2018-09-20 乳滴

「地震で目が覚め『こりゃ大変だ』と農協に駆けつけた。スマホで酪農家に連絡。自家発電機所有の酪農家から借りて翌朝4時までに、何とか1日1回だけの搾乳でしたが、手分けして回り切りました」。自家発電機を4割程度備えていた主産地もあったというが、この組合では30数戸の酪農家のうち自家発電機を備えていたのは2戸だけ。取り急ぎルートを考え、死に物狂いで対応した。


北海道胆振東部地震の震源に比較的近い、あるJAの酪農担当職員の話だ。携帯電話も数時間から1日程度で繋がらなくなったり、電波が弱くなった。地震と同時に仮に通信も途絶えたなら被害はさらに増しただろう。


北海道全域が2日間余りも全面停電。断水も加わり、酪農にとって最悪の事態となった。搾乳や生乳の冷却ができなかったり、乳業工場の操業停止で集送乳がストップ。仮に搾乳できても、多くの地域では生乳を運んでもらえなかった。


せっかく搾った生乳を「搾っては捨て、搾っては捨て」の経済的にも心情的にもやりきれない事態に陥った。酪農家にとって生乳は人間の血液と同じ位に大切なもの。牛舎からは、家族同然の牛の鳴き声が聞こえてきても、それに対応してあげることができない。身を切られる痛みだ。影響は続いている。

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