乳滴/2018年4月1日号
とうもろこし畑で婚活
酪農後継者の奥さんに話を伺うと「以前から酪農に興味を持っていたから」だけでなく「たまたま好きになった人が酪農家だった」という人も相当数いた。学生時代や地域での付き合い、友人の紹介等で、実家の酪農経営は後からついて来るケースだ。乳牛との暮らしや、努力が収入等、目に見える形で評価につながる楽しさに目覚めたとの話も聞いた。
担い手の育成では、結婚問題は避けて通れない大きな課題だ。かつて規模の大きな組合では、婚活担当の職員がいた組合も存在したが、酪農戸数の減少が職員の減少につながり、そうした活動の余裕がなくなってきたのが実態である。そうした中で、近年、鹿児島県酪農協等いくつかの組合において婚活事業が行われ、成果が出始めている。
チャレンジしない限り物事は進まないが、和歌山県の紀ノ川農協では、「とうもろこし畑でコーン活(婚活)~種まきから収穫まで~」を4月から実施する。農家が一番輝ける場所でというのがキーポイントだ。山地酪農の牧場において、とうもろこしの栽培(播種、定植、収穫)を通じて農業の大変さや楽しさを感じてもらおうというもの。初年度はカップルが2組誕生。「婚活だけでなく、ネットワークを広げるイベントになれば」(同農協)と説明している。