乳滴/2018年1月20日号
新規就農と新規参入者
「酪農経営に新規就農」といった場合、新たに酪農経営を開始した「新規参入者」が一般的なイメージだろう。実家の経営に就農・経営継承した、いわゆる親元就農とは別にとらえられている。この新規就農・参入者について昨年の自民党畜産・酪農対策委員会で就農支援対策を強化すべきではないかと議論にのぼった。
酪農の場合、高齢化や後継者不足等により農水省調査では、16年に584名(経営)が離脱し、新規就農者は207名。そのうち、新規参入者は37名(北海道30名、都府県7名)だった。ちなみに14年~16年の3年間累計では、1321名が離脱し、新規就農者は592名、うち新規参入者が83名(北海道62名、都府県21名)だった。
17年3月の全国農業会議所の農業全体の新規就農者の就農実態調査では、直面している課題は「所得が少ない」(56%)「技術の未熟さ」(46%)「設備投資資金の不足」(33%)「運転資金の不足」(24%)をあげている。さらに、「労働力不足(働き手が少ない)」(30%)は、前回13年調査より6.7ポイントも上昇している。
新規就農者に対する国の事業は、これまでも離農農場に対する補改修と畜舎、家畜の貸付等あったが、現場のニーズを要求すべきだろう。