乳滴/2018年1月1日号
今年こそ都府県対策を
昨年12月、2018年度の畜産物価格・政策決定に至る論議の中で都府県酪農の今後の盛衰につながる自民党の決議がなされた。党内の議論を担当した畜産・酪農対策委員会(委員長=赤澤亮正衆議・鳥取2区)で、都府県の酪農対策を集中的に議論すべきとの意見が出たからだ。
北海道酪農と都府県酪農の格差は年々拡大。生乳生産量でみると、2010年度に北海道が都府県を上回って以降、2016年度は北海道が389万㌧(シェア53%)に対し、都府県は345万㌧(同47%)と都府県の生産が縮小し続けてきた。
本欄(2017年6月20日号)でも指摘したように、農水省も近年の生乳生産量の減少は「ほぼ都府県の生産量減少に起因する」と分析。1996年度から2015年度まで全国で減少した生乳生産量は125万㌧だが、この間、北海道が36万㌧、10%増、逆に都府県は161万㌧、実に32%も減少している。自民党の決議では「都府県酪農に資する対策を検証し、必要に応じて強化すべき」と明記された。
畜酪委で議論を提起した前委員長の坂本哲志衆議は熊本3区、野村哲郎農林部会長(参議)も鹿児島県だ。抜本的な都府県酪農対策が必要であることは明らかである。政府・与党、酪政連などの生産者・団体が力を合わせ実現に向かいたい。