乳滴/2017年12月10日号
病気や事故のリスク
近所の内科医院が年明け後、2週間ほど臨時休院することになった。検診で院長の胃に前がん状態の腫瘍が見つかり、入院するからだ。通常は大学や関係機関に依頼し、臨時の医師を派遣してもらうはずだが、今回は休業を選択したのだろう。
酪農家を含む個人事業主(自営業)が怪我や病気など、予期せぬ事態が起こった場合、家族等や酪農ヘルパーで、やりくりできればよいが、状況によっては、難しいケースが起きてくる。
農水省が2016年に畜産・酪農家の離脱要因を調査したところ、理由の第1位は「高齢化・後継者問題」(46.1%)。次いで「他畜産部門への転換」(17.5%)が第2位。酪農の場合、肉用牛、育成等への転換が多いのが特徴である。その後に「経営者の事故・病気・死亡」(15.2%)、「負債問題」(6.0%)、将来への不安」(4.8%)、「耕種等の農業他部門への転換」(4.6%)と続く。肉用牛経営でも「経営者の事故・病気・死亡」は繁殖(16.2%)肥育(10.5%)とも大きな要因となっている。
「日本人の2人に1人はがんになる」一方で「早期発見によってがんも治る時代だ」と言われるようになってきた。積極的に検診を受けることがリスクを減らすための経営主の努めである。