乳滴/2017年12月1日号
試食人気と消費者理解
9月に宮城県で開催された第11回和牛全共に出席した農水省元幹部が「牛肉を試食しようと早めに会場に出向いたが、長い行列で結局、あきらめたよ」と少し驚きながら話してくれた。
10月に川崎市で開催された、ちくさんフードフェアには11万人以上、11月のチーズフェスタにも計7千人の来場者があった。目玉は、牛肉や乳製品等の即売と、やはり試食だ。子どもは正直なものでパクパクと牛肉をおいしそうに食べていた。
一方、近年は無料の試食だけではなく、有料の様々な「食フェス」(フェスティバル=祭り)が各地で開かれている。ここでも肉料理はB級グルメなどと、ともに人気上位の常連である。
11月10日号の本欄で紹介した「国産農林水産物・食品に関する意識調査・意向調査」(887人回答)によると、「効果の高い食育活動」(複数回答)では、「農林漁業体験」(80・9%)、「採れたての食べ物を食べるなど食べ物のおいしさに感動すること」(77・3%)が第1位と第2位であった。
興味深いのは、農林漁業体験の経験がある回答者は「生産者への感謝の気持ちを持つようになった」というのが6割以上でトップとなったこと。各種のPR活動において、消費者との距離を縮める活動の意義は大きい。